川上未映子

2014.10.24

「フランスで読まれる川上未映子」満員で御礼、そして

 

 日仏会館で開催される、わたしの友人であり翻訳者であるパトリック・オノレさん、そして詩人であり作家である関口涼子さんお招きし、
 『すべて真夜中の恋人たち』の文庫化を記念しまして開催される、
 フランスで読まれる川上未映子なのですが、
 定員に達してしまったので申し込みを終了させていただきました。

  
 
 本来ならば120名ほどの会場なのですが、今回は椅子をたくさん追加して、なんとか200名前後の方々に聞いていただけるようにしてくださったのですが、しかしこちらもいっぱいに……。
 まだ先だし、これから予約するかー! と思われていたみなさまにおかれましてはごめんなさい、
 そしてお申し込みくださったみなさま、ありがとうございます。色んな話ができるのをすごく楽しみにしています。

 

 そして、少しまえにちょっとだけお知らせしました、『きみは赤ちゃん』にかんするトークイベント(お子様&赤ちゃんも大歓迎)は、申し込み方法など詳細は追ってお知らせしますが。日程は11月29日、お昼ま、ということに決まりましたので、この日はぜひに空けておいてくださいませ!

 

○現在発売中の『週刊現代』に『きみは赤ちゃん』にかんしましての、インタビューが掲載されております!
 この著者インタビューのページ、これまで三度登場しているのですが、恒例のQ&Aもございます。ぜひお読みくださいませ!

 
 

 で、今週のはじめに、『すべて真夜中の恋人たち』のサイン本を作りに行ってきました。

 

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 画数が少ないということもあるのですが、わたしはサインをするのがものすごーく早く、それはもうまわりが「もうちょっとゆっくりやれよ……」と思かもしれないくらいに早く、100冊とか15分くらいで終わってしまうのだった。
 これより早かったのは、故、渡辺淳一さんでいらっしゃったらしく、こう、テーブルいっぱいに本のサインをするページを開いて、書くというよりはもう塗っていくというあんばいで筆を一気に走らせるというそんな鮮やかな技をお持ちだったそうです。けっきょくわたしは、この日ぜんぶで500冊くらいにサインをさせていただいて、そして色紙なども作成しました。

 

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 みなさんに読んでもらえよ、遠くに行っても、がんばれよ……という気持ちを込めて、サイン書き書き。

 

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 そして都内の書店を数件伺って、パネルにこれまたサインをさせていただいたり、ポップにメッセージを寄せたりなど。
 そうそう書店の何が好きって、著者の直筆メッセージ、みたいなのももちろんいいけど、やっぱ書店員さんの、ほんとにこの本が好きなんだなーというのが伝わるポップを見る喜びに尽きるところもありますよね。ペンの色変えたり、縁取ったり、その本のよさを伝えようとあれこれ工夫して展開されていたりして。
 書店にいけば、時間のゆるす限り、ポップをあるだけぜんぶ見ちゃうな。
 本にたいする愛情があのようにかたちになっているのを見ると、「ああ、本というものを好きな人がここにいるんだな……」と、ふだんずうっと家で原稿を書いてるだけだと「うう、この小説をいったい誰が面白いと思うだろう、果たして誰が求めてくれるだろう……」とうっかり淋しく、そして心細くなる感覚を明るく呼び戻されて、あらためて今日もがんばろうとこれまたほんとに思うのだった。

 

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 そして、こんなポスターも作成していただきました。思わず壁に落書きしてしまいたくなる余白も素敵で、すべまよ感、ありますよね。撮影は石倉和夫さん、デザインは講談社チームです。
 単行本のときのポスターもモノクロでしたが、また雰囲気が違って装いもあらたに、という感じでございます。書店でみかけたらよろしくお願いいたします、というか、ポスターによろしくも何もないのだけれど……。

 

 『すべて真夜中の恋人たち』は、
 夢見ることもなく、自分に自信もなく、
 人生で愛に出会うことなど想像もしていなかった人の、恋物語です。
 これからどんどん寒くなる、冬の夜に、真夜中に。
 みなさんがどうかこの物語と出会ってくださいますように。

 

 

2014.10.15

秋ね、「すべて真夜中の恋人たち」文庫になっちゃって

 お知らせではない日記そう日記をこそわたしは書くためにブログをリニューアルしたのに、今日も今日とてお知らせがいくつかあって、なぜいつまでもこんなことになっているのだろうと思うけれど、大人が日々を生きるということは日々これ怠らず連綿と仕事をする、し続けるということでもあり、そしてお知らせは連綿のその結果、なのだから、これはこれで道理で道理、なのかもしれないのだった、ね。
 
 
 とまれ、本日、『すべて真夜中の恋人たち』の文庫本が発売されました。わーい。
 さっそく各書店でも、色々と展開くださっているみたいで、感激しております。
 あれから3年とは早いものだけれどどうぞよろしくお願いします。
 装丁は、単行本のときからひきつづき、名久井直子さんです。
 帯文には、当時、テレビ番組で爆笑問題の太田光さんが拙著についてコメントしてくださったものを、お借りしました、ぜひお手にとってくださいませ……。

 そして、今回の文庫化、この初夏にフランスで刊行されたことをあわせて記念いたしまして、
 11月19日はこちら、「フランスで読まれる川上未映子」も開催いたします。
 この機会にどうぞご参加くださいませな。
 お申し込みは、こちらから!
 
 
 『IN POCKET』10月号 にて『すべて真夜中の恋人たち』の特集が組まれておりまして、先日ご紹介しました、フランスのル・モンド紙に掲載された、インタビュー&書評の和訳が掲載されております。この機会にぜひー。
 
 
 『文藝春秋』11月号 にて、漫画家の伊藤理佐先生と対談しております。
 理佐先生の夫君はおなじく漫画家の吉田戦車さんでありまして、よく似た家庭環境つながり、そしておふたりとも育児漫画を多数刊行されていることもあり、生活や仕事のあれこれたくさんお話しました。理佐先生は、優しくて色白でとても楽しくて、あっという間の時間でした。タイトルは「子育て妻が不機嫌になるとき」です、どうぞお読みくださいませ!
 
 
 そして『きみは赤ちゃん』、みなさまにご好評いただいておりまして(ただいま7刷!)で、うれしいな。取材もまだまだ続いておりますので、またお知らせいたします。
 そして、11月末ごろには「きみは赤ちゃん」関連で、イベントを開催する予定でおります。
 詳細は追ってお知らせいたしますが、
 赤ちゃん&お子様と無料で参加いただける、もちろんお昼間の時間帯で、なにか楽しいことを考えておりますので、続報をお待ちくださいませ!たのしみしてまーす。

2014.10.08

秋の、さまざまなお知らせ

 空気の低いところ深いところをよく知ってる知らない匂いが流れて秋だね。
 腕ひんやり頬だけ熱くて、刺繍糸、気づけばぜんぶどっかにいった。

 今日も今日とてお知らせが!
 
 

 『中原中也研究 19』
 去る四月に中原中也記念館で行われた穂村弘さんとの対談「中原中也、その愛と魅力と謎」を収録されております。すべてそのままの採録となっておりまして、それぞれがとりあげた作品の読解、いわゆる中也の「名辞以前の謎」について、「春の日の夕暮れ」の冒頭のせんべいって何ですか問題、あとは子どもを亡くした体験とその詩作との関係について……などなどてんこもりですので、中也に興味あるかたはぜひ、お読みくださいませ。そして、こちらは基本的に中原中也記念館でのお取り扱いになっておりまして、
それ以外では、

東京/西秋書店、中央大学生活協同組合書籍店 
埼玉/ポエトリーカフェ武甲書店 
長野/譚詩舎 
愛知/ウニタ書店、精文館書店 
京都/三月書房
山口/文榮堂本店・山口大学前店

となります、よろしくお願いいたします!

 
○ 『新潮』11月号
 新潮新人賞の選評を寄せております。
 受賞は、高橋弘希氏「指の骨」。
 全選考委員一致での授賞で異例の早さで決定しました。
 ぜひ、お読みくださいませ。
 
○ 『SPUR』11月号
 モードとともに25年。ここで改めて基本に立ち返って、素直な気持ちで聞いてみた。ワールドワイドな100人に質問 「あなたにとってファッションってなんですか?」に答えました。ぜひご覧くださいませ。
 
○ 『MAMA MARIA』vol.2
 蜷川実花責任編集のママ雑誌! 
「今までのママ雑誌がしんどい」そんな働くママに捧げます!
 実花さんとの対談で登場しております。
 子どもをどのように育て、また教育すればよいのだろうか……私立に通わせるのか、公立でよいのか。
 お受験&幼児教育などなどそういうことにいっさい興味のないわたしだけれども、
 一生懸命あれこれ考え、実花さんと真剣に語り合いました。
 生んで数年ではやこのような事態が待っているなんてのう……。
 ぜひ、お読みくださいませな。

紗栄子、岩堀せり、紗羅マリー、鈴木えみ、内田春菊、西原理恵子、川上未映子、大竹しのぶ、君島十和子、小島慶子、神崎恵・・・他のママ雑誌では到底登場しないメンバーが、責任編集の蜷川実花とともに、自己の体験を赤裸々に明かしつつ、働くママのリアルな現状、子育てと仕事について語りつくします。
「専業主婦は薄い氷の上に存在している幸せ」
「仕事は自由の翼。子どもが生まれたからといって手放してはダメ! 」
ファッションやメークだけではない、全く新しいMAMAムックの第2弾です。

 
○ 「フランスで読まれる川上未映子」
2014年11月19日 
18:00?20:30
日仏会館 一階ホール
一般公開、入場無料

お申し込みは、こちらから!

【趣旨】
作家、川上未映子の作品は近年フランスで高く評価されており、また、現地のフェミニスムの観点から興味深い読みがなされていることもある。翻訳者パトリック・オノレとの対談では、具体的な例を挙げて、翻訳を通じて作品がどのように解釈されているのか、どのような読者層の支持を得ているのかを紹介する。また、作者本人がフランスでの反応に対しどのような印象を抱いたのかを考察する。

【ディスカッサント】 パトリック・オノレ(翻訳家)
【司会】 関口涼子(作家、翻訳家)

2014.10.02

「すべて真夜中の恋人たち」文庫化を記念して、「フランスで読まれる川上未映子」開催だよん

 早いもので『すべて真夜中の恋人たち』も文庫化の運びとなりまして、そうかあ、あれから3年くらい時間が経ったということやのかあ。あれも秋だったのう。妊娠初期のつわり地獄で、わかめを噛むことしかできなかったのを思いだします。ともあれ3年。ということは、そのあいだに短編書いたり、『きみは赤ちゃん』を書いたり、連載コラムも書いたりで、いつもずっと仕事ばっかりしてるはしているけれども、しかしわたし3年くらい長編を発表してないってことでもあって、心はあせるわ。はよ書きあげてはよ読んでもらいたいおすわ。
 
 で、『乳と卵』など拙著は色んな言語に翻訳されて刊行されているのですが、
 この春ごろに『すべて真夜中の恋人たち』もフランスで刊行されました。
 初夏に訪れたジュネーブ&パリは、シンポジウム参加にくわえてそのプロモーションのためでもあったのですが、そのときの通訳でもたいへんにお世話になり、そしてわたしの大切な翻訳者にして友人であるパトリック・オノレさんが来日して、このたび、お話することになりました。そして贅沢にも、司会というか進行役を引き受けてくださったのは詩人の関口涼子さん(うれしい……)。

 日本語で書かれた作品が翻訳され、
 まだ見ぬ読者に届くまでの過程や、その困難と面白さ、そして、翻訳という現場で何が起きているのか。 またジェンダーと文学について、詩と散文についてなど、
 当日はもう本当に色々な話をしたいと思っておりまーす。
 同時通訳もつきます。
 みなさま、ぜひこの機会にお越しくださいませな。
 ほいでもってこちらは、ちょっとまえにフランスのル・モンド紙に掲載されたインタビューです。
 発行はもうちょっとあとになるけれど、講談社の「INPOCKT」で『すべて真夜中の恋人』特集を組んでくださる予定ですので、そこに訳文も掲載されます。ちょっと時間差あるけれど、またお知らせしますので、合わせてぜひご覧くださいませな。

 

Kawakami  Le Monde

 

「フランスで読まれる川上未映子」
2014年11月19日 
18:00〜20:30
日仏会館 一階ホール
一般公開、入場無料

お申し込みは、こちらから!

【趣旨】
作家、川上未映子の作品は近年フランスで高く評価されており、また、現地のフェミニスムの観点から興味深い読みがなされていることもある。翻訳者パトリック・オノレとの対談では、具体的な例を挙げて、翻訳を通じて作品がどのように解釈されているのか、どのような読者層の支持を得ているのかを紹介する。また、作者本人がフランスでの反応に対しどのような印象を抱いたのかを考察する。

【ディスカッサント】 パトリック・オノレ(翻訳家)
【司会】 関口涼子(作家、翻訳家)

【登壇者プロフィール】
◎ 川上未映子
2007年、デビュー小説『わたくし率 イン 歯ー、 または世界』が芥川賞候補となり、次いで2008年『乳と卵』で同賞受賞。フランス語の他に、中国語(簡・繁体字)、韓国語、ベトナム語、スペイン語、ノルウエー語などに翻訳されている。
その後2009年に『ヘヴン』、2011年に『すべて真夜中の恋人たち』(ともに長編小説)を発表、ベストセラーとなる。
さらに2013年刊行の短編集『愛の夢とか』と合わせ、高い評価を得る。
詩人としての才能も高く、詩集2冊があるほか、エッセイ集・対談集多数。

◎ パトリック・オノレ
2003年より日本の現代・現在文芸 、児童文学、漫画など幅広く取扱い100冊以上の作品を訳す。2010年、リリー・フランキー『東京タワー、オカンとボクと、時々、オトン』(第17回日仏翻訳文学賞(小西国際交流財団主催)受賞 (Philippe Picquier出版)。漫画では水木しげる『のんのんばあとオレ』が2007年アングレム国際漫画祭最優秀作賞を受賞(Cornélius)。 川上未映子著作品では『乳と卵』、『すべて真夜中の恋人たち』、『ヘヴン』 (すべてActes Sud)を訳す。その他の主な翻訳に綿矢りさ、古川日出男、橋本治、小野不由美、内田百閒、夢野久作、他。

◎ 関口 涼子
1997年よりパリ在住。日本語とフランス語で著作活動を行う。著作に Ce n’est pas un hasard (POL), L’astringent (Argol), 翻訳に『悲しみを聴く石』(アティーク・ラヒーミー、白水社)、『素晴らしきソリボ』(パトリック・シャモワゾー、河出書房新社、近刊)など。近年は味覚と文学をテーマとした執筆活動をフランス語で行っている。2012年フランス芸術文化勲章シュヴァリエ受賞。2013年−14年フランス文科省招聘でローマのヴィラ・メディチに滞在。

【主催】 日仏会館フランス事務所
【助成】 (公財)小西国際交流財団
【協力】 講談社

2014.10.01

肺をみたして、時間をぬって

 金木犀の匂いがだんだん濃くなって10月登場。しかし時間の経つのはあまりに早く、今年も残りあとちょっとやなんて。子どもの頃はやっぱり長い時間を生きてたなあと思うこの15年ほど、ああ相対性理論はこのようにしてすべての場所に満ち満ちと、みんないつだってちがう時間を生きてる秋、いま、秋刀魚がおいしいね。

 で、刊行されてからもはや8割以上の期間がAmazonで品切れ状態という『きみは赤ちゃん』は、最近もずっと取材が続いておりまして(ただいま6刷!)、ありがたいことです。漏れているのもあるかもだけれども、いま読んでいただけるものをお知らせしまーす。

と、そのまえに!
そんな『きみは赤ちゃん』がこのたび電子書籍化されました!
kindleなどの専門の端末じゃなくても、iPadやiPhoneその他のスマホでも無料の専用アプリをダウンロードすれば読むことができます&こちらはもちろん品切れ、ということはありえませんので、深夜にふと思いたったお布団のなか、あるいは読むものをうっかり忘れた電車のなかでなど、どうぞよろしくお願いしまーす!(『乳と卵』Kindle版『世界クッキー』Kindle版も合わせて電子化されました!)

 
 
<インタビューなど>
○2014年10月号『ひよこクラブ』 インタビュー
○2014年10月号『FRaU』 ポートレイト&インタビュー
○2014年10月6日号『AERA』ワーキングマザー特集にてインタビュー
○CREAwebにて「川上未映子のお悩み相談」の後半はこちら
Cakesのインタビュー全3回はこちら
ミシマ社のインタビューもこちら
hontoのインタビュー&「こんなときにはこれを読むのよ!」はこちら

「BAILA」、「文藝春秋」、「kodomoe」、「AERAbaby」……とほかにもつづきますのでまたお知らせします。
 
 
<エッセイ>
○2014年夏号『yomyom』 にTOTOとのコラボレーション巻頭エッセイ、
『Hanako』 の連載「りぼんにお願い」は「なぜ深夜に突如フルメイクをしたくなるのか」について、
『週刊新潮』 の連載「オモロマンティック・ボム!」には占いの剣呑について
Frauの連載「伝説のコスメ」には、エスティーローダーの美容液について
 
 
<小説>
○短編小説「ふたりのものは、みんな燃やして」を書きました。
これは去年から文芸誌などで発表している、みっつの掌編にひとつのタイトルを冠したロンド式のもので、今回は、
「レネは誰のことも好きにならない」、
「イヴァンの寝室」、
「ヴリーランの愛の証明」

のみっつの話が入っています。全部で50枚くらい。こちらから購入&お読みいただけます!
 
 
 駆け足でのお知らせになってしまったけれどお知らせじゃなくて日記のような記事をわたしは書きたい、子どもがだいたい3歳ごろまで記憶がないってことと大人の記憶の関係についてぼやぼや思ってることも書きたいのだけれどそれは追って。あの匂い、あのせつな、苦手な人も切なくなる人もいるだろうけれど金木犀で肺をみたして時間をぬって、なんとかひとつ。

2014.09.12

あらゆるところにスケキヨが

 暑いのか涼しいのかわからないけれど、日差しが強いような気はするので「おまえもこれが塗られ納めよの……」と言いながら腕と首に日焼け止めを塗りました。ああ、空気には、晴れと夏の去り際と一度きりの匂いがたちこめて、胸は、何も目指しようもない運動を飽きもせず鳴らしている最中、誰かに耳を近づけてみれば聴こえるかもしれないし、聴こえないかもしれないから、誰かと耳のことは少し忘れてベランダにひとりきりで立ってみる、今年もまたこうして夏が終わってゆくをわたしたち、いつもの場所からまじ見てる。

 

 それで、『きみは赤ちゃん』にかんするロングインタビューがこちらでお読みいただけます!
「cakes〜若き文学者の肖像」
 ロングインタビューっつうぐらいのもので、かなりのヴォリュームになっておりまして、執筆についてのあれこれや、それでけっきょくどうやって生きてゆくのがいいのかなどなど、数週にわたって掲載される予定です。無料登録していただくとすべてをお読みいただけますので、10秒で完了しますゆえ、どうぞよろしくお願いしまーす。

 

 そして、9月17日はhontoで、
特設サイトが開設される予定でーす。
 こちらはインタビューなどに加え、わたしの「状況別おすすめ本のコーナー」などもあって……たとえば。

 「赤ちゃんがどうしても眠ってくれず、目の回りにムール貝をくっつけたような顔になってるけどそんなときだからこそ白目になりながらもなんとかして読んで眠ったつもりになりたい本!」

 ってな感じで、ほかいくつものシチュエーションを設定して、それぞれ3〜5冊を推薦文とともに、おすすめしております。ほいでもって、書店の店頭や色々なところでお手に取っていただけるフリーペーパー版の 「honto+」 にも現在、インタビューが掲載されております。
 そして今後は、

web版 「honto」 
フリーペーパー版 「honto+」 

 の両方で、状況別おすすめ本の連載、

「こんなときには、これを読むのよ!」

 が始まる予定です(今回は出産&育児がメインの選書だったけど、連載は、色んなシチュエーションよ……)。

 

 ほかにも五月雨式になってしまけどインタビューなど掲載されております。
 『ひよこクラブ』『女性セブン』、そして『FRaU』10月号 には、連載エッセイ以外に、「5分で、キレイ」特集に、インタビュー&ポートレイトで登場しております(ちなみに今週の週刊新潮は、にっくき口内炎をなくすためのレーザー治療について書いています!)。
 
 そして『きみは赤ちゃん』の書評も、こちらからお読みいただけます。
 吉田戦車さんによる、週刊文春の書評
 野崎歓さんによる、東京新聞の書評
 
 あと、共同通信や、女性誌でもたくさんご紹介されているみたいなのですが、
なかなか全部を追いきれず、ご紹介できたりできなかったりがはがゆいのだけれども、でも、ぜんぶ本当にうれしく思っております。ありがとうございます!
今後も、「AERA」「AERA BABY」、そして「BAILA」「CODOMOE」「文藝春秋」……などなど、対談や取材が続いておりますので、そのつどまたお知らせいたします。っていうか、出たときにぱっとお知らせできるのって、やっぱ twitter なのよね……。
  
 ところで2歳3ヶ月の最近のオニは、「悪魔の子なんじゃないだろうか……」と、頭のどこかに666が刻まれてないか探そうかと思うほど絶叫し、世界のすべてにたいして「否!」をぶつけまくっていた頃に比べるとまだ少しはましだけれど、しかし、バナナもぽーい、カレーも白飯ごとぽーい(このときの絶望感ゆうたら……)、しかもそのあと自分のぽーいに悔しくてまた激しく号泣と、まあ、相変わらずの魔の2歳児、そんなような日々なのだった。
 で、「鬼から電話」も「エイリアンから電話」もまったく効果がなくなった今現在……我が家の頼みの恐怖先生は「スケキヨ」なんだよね……。いつだったかの夜、顔に保湿パックを貼付けたわたしを見て心の底から「!!」となり、もじどおり震えあがって自ら布団に「ぎゅん!」っと飛び込んでいったのを見て、「これは使えるでな、うしし……」となったんである。
 

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 この画像をiPhoneに保存し、いつでもさっと取り出して印籠っぽく使うのである。それからオニの世界にはあらゆるところにスケキヨが存在することになったのだけど、われわれも、もう「スケキヨ」といえばどうにかなると思ってるから、いつなんどきでもスケキヨが適用されることになり、そうするともうスケキヨのスケキヨ性が完全に変化してもはやキャラでも何でもなくなり、たとえば外食してるときに床に落としたものを拾って食べようするオニに「あっ、もうそれ、落ちてスケキヨになったから無理」とか、炎天下やのになかなか帽子をかぶろうとしないオニに「もー、何回もおなじことゆわさんと、ほれ、はよスケキヨかぶって!」とか、スケキヨはじつに高い汎用性を獲得するにいたって、朝から夜までたいへんお世話になっているのやった……しかしときどき、ぬいぐるみやわたしをぱちんと叩いたオニに「あっ、やめて……スケキヨが痛がってる……」とか、むしろそれオニ的には好都合なんじゃないのというような具合に使い方を間違ったりもして。でも、いまのところスケキヨがいちばん効いてます……お困りのお母さまも、スケキヨいかが……。

2014.09.04

Elme 美容院、おかっぱは、こんな感じでひとつ

刊行したりすればサイン会で、そして講演をすれば質疑応答などで、いらした皆さんに、よく聞かれていたのである。
もちろん小説のあれこれや創作のいろいろ、が、その大半なのだけれど、それでも何を聞かれていたかというと、それは「おかっぱ」についてなのやった。

 

「ミエコさんのようなおかっぱいにしたいのだけれど、どうも節子になる」
「ウォーズマンのようになる」
「鳩山夫人」
「ついてはすみやかに、コツなり美容院なりを教えるように」

 

みたいなことをおっしゃる方が多いのだった。そのたびに、

 

「そ、そうですか……じゃあ、ブログで書きますのでよろしくねん」

 

と返事しつづけていたのだけれど、これまで一度も書いてこなかったあかんわたしなのである。
なので今日は、わたしがいつもお世話になってる美容院「Elme」をご紹介したいなと思います。

息子の髪の毛をおかっぱにはしているけれど、でもそんなん適当すぎるほどに適当にやってるだけなので、
カットというのがどれくらい難しいのか、その本当のところはわからないけれど、でもいつも自分の頭をカットしてくれている武田くんを見ていると、

「ああ、美容師って大変やのう……」としみじみしてくるんである。

というのも、わたしの髪の毛といえば、
硬くて多くてうねり調子の癖っ毛で、湿気を感知したらその瞬間からとめどもなくふえるわかめのように膨らんでゆくようなあんばいで、ふつうにおかっぱに切っただけでは、たわしとモップの中間の何かよくわからん固まりみたいになってしまうんである。
しかし武田くんは、2008年からこんな処置なしのわたしの髪の毛を優しく見つめケアしてくださり早6年。
カラーリングとかストレートパーマとか、その時々に必要なものを見極め、わたしのころころと変わる気分にも力強く対応してくださり、そして何よりもカットの技術の限りを尽くして(「世界の終わりとハードボイルドワンダラーンド」的な……!ぐふぐふ)、人前に出ても恥ずかしくなく、どころか、「その髪型にしたいのだけれどどうすればよいのか」というような感想までをちょうだいするフォルムを維持してくれている、わたしのスーパー・ヘア・スタイリストであるのやった。

 

MG_0974b.png

 

おかっぱにも長さ、色、さまざまあるけれど、最近ではこれ!

前田こづえさん撮影によるこの写真のおかっぱも、もちろん武田くんによるものです。

本来は困難&やさぐれ髪でしかないわたしの頭に、なぜか艶のリングが……泣けてくる。

おまけに「しいたけのかさですか」、「いっそ書籍ですか」というような激烈強烈なぜっぺきのわたしを、最善を尽くしてまるく形づくってくれるおかげでどれだけ気持ちが助けられていることか……。

わたしの髪質でここまでつるりんと仕上げてくれるのだから、普通の髪質のかたならばいったいどうなってしまうのやろう……! これまでわたしのおかっぱに興味を示してくださったかた、そして質問してくださったみなさま、わけもなくおかっぱにしたい記念にかられているかた、武田くんに「ミエコのおかっぱ」みたいなあんばいで伝えてもらえればしゃしゃっと楽々一発だと思いまーす。ああ、これで約束を果たせたような気がしてちょっとほっとしてます。遅くなってごめんやった。

 

そして、現在二児のお父さんでもある武田くんのエルメ は、なんとうれしいことに、小さなお子さん、赤ちゃんがいらっしゃるお母さんも、あれこれ心配することなく髪の毛を色々してもらえるようにと、「ママズデイ」なるものを設けており、その日なら、お子様連れでも何の問題もなく、美容に集中することができるとそういう素晴らしいあんばいであるのだった。

 

そう。保育園に預けてらっしゃるお母さんならまだしも、預けてらっしゃないお母さんが美容室に行くのは至難の業……。でもエルメなら一緒に来て、お子さんが遊ぶのを見守りながらちょきちょきやってもらえます。これはぜったいに紹介せなあかんやろ……と鼻息荒くして、みなさんが少しでも心地よく快適に、髪の毛のまつわる素敵なひとときを過ごしてほしいなーと思っております。
詳しくは美容室エルメにお問い合わせくださいませなー。

 

ところで……

アマゾンでは品切れになって一ヶ月以上が余裕でたとうとしている、いったいなぜ…というため息ももはや去り、なんか色んな意味で信じられない感じになってる『きみは赤ちゃん』なんやけど、最近ではもう慣れたというかどうしようもないというか諦めの境地っていうかで、

 

「一時的に在庫切れ、入荷時期は未定です」が、

「永久的に在庫切れ、入荷時期は未定です」に空目する感じにもなってきたわ。

 

とはいえ、おかげさまでただいま5刷で、リアル書店はもちろんのこと、ほかのネット書店にも在庫はあるようなので、どうかそちらで入手いただけましたらすごくうれしいです。とはいえアマゾンもわりにすぐに届くとは思うのだけれども……しかし今回の本はなかなか外出できない人にまずはって気持ちがあるので、慣れたってゆってもやっぱりちょっとじりじりするう、回復なむなむ回復頼む。

2014.08.23

CREA Webでのお悩み相談、わたしも悩んで

 なんかちょっと涼しかったような気がした今日ですけれども、みなさんお元気でいらっしゃいますか。小学生のときにちょっと描いてみた少女漫画のタイトルが「残暑お見舞い申し上げます」っていうタイトルだったことを、なぜか突然いま30年ぶりくらいに思いだしたけれどそしてすぐに忘れるんだろうと思います。
 
 そうです! CREA Webで募集しておりました、出産&妊娠&育児その他もろもろにまつわるお悩み相談、たくさんのご応募をありがとうございました!
 
 どれも切羽詰まりかつ、やっぱり女ともだちに「なあなあ」みたいな感じで話しかけてくれるようなあんばいでもあり、お寄せくださったなかからこちらも悩みに悩んで二回にわけて、それぞれ3名の方へのお答えを掲載させていただいております。そして採用させていただいたみなさまには署名入りの『きみは赤ちゃん』をお送り差し上げます。みなさん、ほんとにどうもありがとうございました!

 川上未映子のお悩み相談はこちらから! まずは前半の3名の方々!どうぞお読みくださいませ!後半もまたお知らせいたしまーす。ねばねば。
 

2014.08.22

まんまんちゃん、あん!

 少しまえから、オニ(2歳・息子)のおむつを替えているときや入浴しているときなどに、オニが自分のおちんちんに手をやって、「ちんちん!」などとうれしそうに言うようになった。おお、これも身体の発見だのう、と微笑ましく、「そうだね、オニのちんちんだね」などと言って笑っていたのだけれど、最近はそれにくわえて、わたしの股間をじいっと見つめてから「……かあか、ちんちん、ないっ!」とつけたすようになってきた(かあか、とはわたしのことです)。

 そうだよ、かあかはちんちんないよ、と最初は何の気なしに答えていたんだけれど、入浴するたびに、自分のおちんちんを楽しそうにさわりながら、「ああ〜、かあか、ちんちん、ないっ! オニ、ちんちん、あるっ!」と言うので、またもや「そうだね」と相づちを打って笑っていた。しかしさらなるオニの質問は、「なんで、オニにちんちん、あるの〜?」というもので、「……それはオニが、男の子だからかな。気持ちはともかく、いまのところ、体がね」とか答えていたのだけれど、そのすぐあとで、またわたしの股間をじっと見て、「かあか、ちんちん、ない……」とつぶやくのだった。ないねえ〜など答えながら、しかしわたしは、「まちがってことは言ってないし、2歳の息子のなんの意味もないふるまいなのだから深く考える必要はまったくないけど、でも、これって受け答えとして、なんか十分じゃないような気がする……」と、頭に泡をつけたまま、10秒くらい考えこんでしまったのだった。

 そう、わたしには、おちんちんはない。しかし、おちんちんでないものはついている(というか、ある)。しかし、こういうとき、わたしはオニになんと伝えればよいのだろう……。すぐに「まんまん」という言葉を思いついたのだけれど、しかしオニがそれを覚えて、保育園で女の子の股間を見つめて「まんまん」と笑いながら言うことを想像すると、そしてそれをその女の子たちの保護者のかたが聞いたりなんかしたら、それってなんかちょっとあれなんでは……というような気持ちがさっとよぎってしまったのも、本当のところなのだった。

 そう。女性器って、あらゆる意味で、奪われた存在というか、ないことになってるものなんだよね。これだけ日本中いたるところでつねに消費されまくってるのもかかわらず。いや、ないことになっているから消費されるものでしかないというべきか。

 この問題については、色んなところで色んな人がそれはもう昔からくりかえし指摘しているし、改善しようとしてるし、つい先日も、アーティストの象徴的な逮捕事件が起きたばかり。
2歳の男の子や女の子が「ちんちん」と笑って言ってそれをまわりも笑って受け流すことができるのなら、2歳の男の子や女の子も笑って「まんまん」と言っていいのだし、そしてそれを受け流すことができなければおかしいやないの。でも、そういうのって頭ではわかっていることなのに、わたし自身、「オニがまんまんというのは、ちょっと、あれなんではないか」ととっさには思ったわけだし、こういうときに自分の性器を名指す言葉を今もって持っていなかった、というのも、じっさいのところなのだった。
 
 そう、こんなのどこにでもある他愛もない話でしかないのだけれど、しかし。
「ちんちん、ある!」というさっきのオニの声が、なんだか頭に残るのである。

 これって何かと思ってみたら、「ある」と「ない」では、やはり「ある」が優位であるという実感で、そこにひっかかっていたのである。
オニからしてみればあって当たりまえの「ちんちん」が、かあかには、ない。オニにちんちんがあるのは、オニが男の子だから。で、かあかにちんちんがないのは、かあかが、女の子だから。もちろん2歳のオニがそのように「ちんちん」や「ある」とか「ない」といった概念や価値めいたものを今の時点でとらえるということは考えにくいけれど、しかし三つ子の魂なんとやらというではないの。「男の子である自分にあってあたりまえのものが、女の子にはないんだ……」というふうな淡い認識が、いつのまにか、「……女の子って、大事なものが最初から欠けてるんだ」みたいなあんばいに、ゆくゆく変化し、刷り込まれないとは限らないではないだろうか。
 しかも、三つ子の魂どころか小学校高学年あたりになるまで、ほとんどの場合は、「まんまん」の存在は隠されたままなのだ。女の子には「ちんちん」に相当するものがまるでないかのような具合なのだ。
まあ、外から見えないという形状の問題も多いに関係しているとは思うけれど、例えばおしっこなんかも、なんか、不思議でよくわからないところからしゃっとでることになってるし、わたしが子どものころだって名称はなかったし、それについて何かを話していいような雰囲気なんていっさいなくて、完全に「ないもの」として、女の子たちは自分の「まんまん」を抱えていた。
欲望されるものだから「ないもの」にされているのか、それとも「ないもの」だから欲望されるのか。おそらくそれは同時にあるのだろうけれど、しかし、いまも昔も、女性の性器が「ないもの」になっていることには変わりはない。

 ついこないだも、男性の老議員たちが「われわれの世代は、どうしても女は下、女のくせにという発想から自由になれない」みたいな発言をして、「だから引退します」でも「だから認識を改めます」でもなく、「わしら変わる気ないしいまさら変われんし、今後もこれでいくからみなさんヨロシク」みたいな顛末でまじで暗澹たる気持ちになったけど、この無根拠かつ腐った差別の認識のはるか根っこには、社会的な構造とか単なる勘違いとか体力や身体の大きさの差異や色々あるだろうけど、さきに述べた、「ちんちん、ある!」の優越感が、あまりにベタで恥ずかしいけれど、しかしほのかかすかにでもあるはずなのだ。挿入する者はされるものよりも優位である。そして挿入できるのは、ちんちんがあるからなのだ。

 世界において家庭というユニットはあまりに小さく、また非力なものではあるし、こんなん焼け石に水っていうか砂漠で針を探すっていうか喩えが間違ってるような気もするし世界の荒波&常識においてはひとたまりもない心意気でしかないかもしれないけれどでも、男を生んだわたしにいまできることをわたしはやるしかあるめえ……ってなぐあいで翌日、「ほな、お風呂はいろか」とオニの服を脱がせおむつを脱がすと、でてきた、かわいらしい、ちんちん。オニはまたもや自分のちんちんをさわって、「ちんちん、ある!」と楽しそうに遊び、そしてわたしの股間をじっと見つめ、「かあか、ちんちん、ない!」とこれまたうれしそうにくりかえすのだった。しかしわたしはもう、昨日とおなじような返事はしない。いいですかオニ。そこからは何も見えないけれど……

 わたし「かあか、ちんちんないけど、まんまん、ある!」
 オニ「?」
 わたし「オニ、ちんちんあるけど、まんまん、ない!」
 オニ「……」
 わたし「かあか、まんまん、ある!」
 オニ「ま……」
 わたし「オニ、ちんちん。かあか、まんまん。おなじ」
 オニ「まんちん……」

 みたいなあんばいで、まだ何も理解してないであろうオニに、「まんまん」という存在のちょぴっとだけは伝わったような、そうでもないような……。
 ともかく、ちんちんが許されるなら、まんまんも許される。ちんちんだけがだるだるに甘やかされるということはないのだということをまずは我が家の常識として、一緒に入浴しているあいだはやっていこうという所存である。このささやかな革命の姿勢が、保育園の保護者のみなさまにどれくらいご理解いただけるかはまったくもって未知数ではあるのやけども……でも、変えたいんなら自分のとこから変わるしかないですしな……って、思い返せば。「ちんちん電車」はよくても「まんまんちゃん、あん!」を言うとちょっと笑われる、笑われてきたあの感じ! まあ方言による慣れ不慣れってのもあるけども……ともあれ、色々なものを正しい場所にもどしたり、とりもどしたりするのは、それが形のないものであればあるほど、時間がかかり、また困難であるものよな、と思いしる暑すぎて息をするのも何かしらの危険を感じざるをえない残暑なのだった。

 

 ところでところで、『きみは赤ちゃん』、みなさんに楽しく読んでいただいてるみたいで、激烈うれしいです!! ほんとにほんとにありがとう。でも、発売してから半分以上の日数、ネット書店では品切れがつづいて、ほいで都内の書店にもほとんどどこにも在庫がない状態で、申し訳なく思っています。重版しているからじきに回復すると思うのだけれど(ただいま4刷!)、でも読みたいって思ったときにこういうのって読みたいですよね……うう、ごめんなさい。どうか、もうちょっとだけ、お待ちになって。それまでは、こちらママ友対談をお読みくださればさいわいです!っていうか、すべての在庫、はよ回復して、お願い!!!

2014.08.12

品切れ、ちくわぽーい。

 またもや、またもやAmazonで「きみは赤ちゃん」が品切れになってしまい、せっかく頭に胸に血色がもどってきたのもつかのま、頭と胸どころか口のなか、耳の奥まで真っ青な気持ちでおります。
 「またもや品切れって、これってどれくれらいまじでまじですか」というやりとりを、またもや白目で秒単位でくりかえし、くりかえしながら、「な、なんかこういうこと、ついこないだもやってたよな……」と思えば、ただでさえ育児中というのは毎日おなじことのくりかえしで、どこまで行っても巨大なきしめんのうえをきいきい言いながら転がるようなあんばいなのに、そんな時間のなかのどこに自分がいま立っているのかもうろうろになるのに、短期間でおなじ状態をくりかえすと本当に揺らいでしまう「今・ここ」なのだった……。
 リアル書店でお買いもとめいただければ最高にうれしいのですが、このあいだも書いたけれど、「きみは赤ちゃん」は、育児中で家からめったに出られない人、そして出てもゆっくり本など見てまわる時間のないみなさんにまずは……という気持ちがあるので、ネット販売でこういうことになってしまうと胸がみしみし鳴って、できることなら求めてくれる人みんなに免許もってないから自転車か徒歩ってことになるけど気持ちは宅配したいくらいのじりじりでおります。

 とはいえ、品切れでないネット書店もいくつかありまして、こちらからならば、すぐにお手元に届きますので、どうぞよろしくお願いします。
 hontoネットストアは24時間以内に発送されます。そのほか、紀伊國屋ジュンク堂などなど書店が運営しているWebストアもありますので、どうぞよろしくお願いします。本がお手元に届きますまで、こちらで、ママ友対談をお読みくださいませ。

 そして、先日スーパーでとおりすがりのお母さまに、「忙しいときはさっとちくわをにぎらせればいいのよ……」と耳元でささやき教えてもらったので「それでいこ!」ってな感じでオニ(2歳・息子)に、さっとにぎらせてみたら、2秒くらい凝視したあとぽーいと投げられて玉砕のいかれこれ。ちくわぽーい。

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