川上未映子

2014.11.25

11月の去りぎわに、お知らせをきゃっと

 先日は、日仏会館での「フランスで読まれる川上未映子」にお越しくださいましたみなさま、ありがとうございました。そして、いっぱいになってしまったために参加していただけなかったみなさま、ごめんなさい。質疑応答含めてあっというまの2時間で、とても楽しかったです。うしし、ブログのためにあれこれいっぱい写真とろ、といつも思うのやったけど、いつも忘れてしまうのだよね。ブログって今更やけど写真あったほうが明るくていいなと思ってるのやけれども、つぎはぜったい忘れんようにしよう……。

 

 そう、催しは、詩人で作家の関口涼子さんを司会に、フランス語の翻訳者であるパトリック・オノレさんとの鼎談で、翻訳にかんする話がメインだったわけですが、そこから「文体」「作家の声」「リズム」と、テキストにとってとても重要な要素がむくむくと膨らみ、いまも色々考えつづけております。おなじ日本語ではあるけれど、「たけくらべ」を翻訳することで、体感したこと、つかめたことがいくつもあって、そのことについても少しお話したのですが、これについてはまた「たけくらべ」の新訳が刊行されるときにでも、どこかで特化したかたちでお話できればなあ、と夢想しております。

 

 そして29日は、『きみは赤ちゃん』のトーク&ラジオ公開収録イベントなのですが、こちらも本当にたくさんのお申し込みをいただきまして、抽選ということになってしまいました……わたしとしましては、とくに今回は、行きたいな、と思ってくださった方全員をお招きしたい気持ちがつよくあったのですが、どうしてもかなわず、せっかく申し込みしてくださったのに、ごめんなさい。どこかでまた、こんなようなイベントできたらなあって思っております。そのときはどうぞ、よろしくお願いします。

 

 そしてさまざまなお知らせです!

 

 ○ BAILA 12月号に、インタビュー掲載されております。『きみは赤ちゃん』を読んでくださった編集者のかたが「!!」となってくださりたちあがった企画だそうです! 作家と子育て、というような特集で、辻村深月さん、小山田浩子さんのインタビューも!どうぞお楽しみください!

 

 ○ 週刊朝日12/5号 「林真理子 ゲストコレクション」にて、林真理子さんとの対談です。旅行にもゆかず、グルメでもないわたしが最後に何で倒れるかというとそれはたぶん着倒れで、林さんの「ジル・サンダー、マイケル・ジャクソン買い」の話から、ファッションはもちろん、それに先立つものの話、つまりお金、そして洋服を収納するための場所である家、つまり土地、についてや、もちろん小説の話、そして『きみは赤ちゃん』についてなど、あれこれたくさんお話しました。というか、どうにも記事にできない話で盛りあがりすぎて時間が足りませんでした。めさめさ楽しかった。

 

 ○ AERA with BABY 12月号に、インタビューが掲載されております。おすすめの絵本、音楽、小説についてふれております。色々な人の子育てについて知ることができるし、たとえばこれからの季節、要注意のインフルエンザやノロウイルスなど、さまざまな病気への対応とか、食べ物とか、しつけのポイントとか、ストレスの逃し方とか、そうよ、色々知ってるつもりでもこのこまかいところがいまいち不安で気になるのよな……と思うようなポイントの回答や、そのほか情報満載で、おっし今日もがんばろう、と激しく励まされる一冊です。もちろん、それらはネットでも知ることはできるんだけれど、知りたいことが一冊にきゅっとまとまってるっていうのはとにかく有り難いですよね。ぜひ!

 

 ってな感じで11月もそろそろ退場……今年も残すところあとわずかとなりましたが、風邪などひかず、いや、ひいてもなんとかがんばりましょう。そして、そうです、『すべて真夜中の恋人たち』、発売一ヶ月の段階で、はやくも4刷のご報告をいただきました。ありがとう……この季節にあの物語を読んでもらってるのが、うれしいですなあ。

 

 

2014.11.13

樋口一葉 & 葛飾応為 IN 2014

 夏の真ん中あたりからずうっと、今もつづいております『きみは赤ちゃん』のプロモーションと平行してやっていたのが、樋口一葉『たけくらべ』の現代語訳

 一文字一文字をおでこに埋め込んでゆくような気合いとあんばいでもって取り組んできたのやったけど、このあいだ、とうとう、とうとう終わってしまって、全力で脱力している日々であります。いくつもある名場面&山場、そして会話、登場人物たちのふるまいのひとつひとつに言葉にあてて置き換えてゆくそのすべてがいつもクライマックスやったけれども、最後の最後、あの一行を終えたときは、もう『わたしのなかの全樋口が泣いた』みたいな感じで、何もかもがたまりませんでした。多くのみなさんにとってもきっとそうであるように、やはりわたしにとって『たけくらべ』がいかにとくべつな作品なのかということを思い知る、ほんとにありがたい時間でした。なむなむ。そして年内はずっと『たけくらべ』のゲラに向き合うことになります。もうちょっとだけしあわせな時間が続きそうでうれしいけれど、でも、何よりも、みなさんにはやく、はやく読んでほしいなと思える仕上がりになりそうで、それも嬉しい予感です。

 いずれにせよ、現代語訳をすることになった経緯とか、訳すにあたっての様々な思案と実践、思い込み、気合い、などなどは、いずれまた刊行のときにたっぷり、ほんとにたっぷりとお話できる機会などがあればいいな! と思っております。できればいいな。

 それで、話が前後ちゃいましたが、

 今回の現代語訳は、河出書房新社から刊行されます「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」のなかのひとつなのです。特設ページはこちら。ラインナップを眺めるだけでうっかりうっとりしてしまう&面白さはもうこれ約束されているようなあんばいなのですけれど、先日、第一巻が刊行されました。

 池澤さんによる新訳『古事記』

 

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 素敵な桃色に金色の鳥の箔押しがなんとも雅なたたずまい。装画は、拙著『先端で、さすわ さすわ そらええわ』の表紙でも絵をお借りしたことがあります、現代美術家の鴻池朋子さん! 混沌&うねうね&いのちの諸々がねっとりあっさり爆誕するイメージが鴻池さんの絵にぴったり。どきどきしますわね。さらに、この全集にまつわるさまざまなイベントなども目白押しらしく、こちらでチェックしてくださいませなー!!

 

 

 さて、わたしの四大ミューズといえば、樋口一葉、ジョディフォスター、青柳いづみ……そして葛飾応為なのですが、その応為の絵をじかで見ることのできるほんとに数少ない機会ゆえ、燃え尽きた心身をずりずり、上野の森美術館まで行ってきたのでありました。もちろん北斎もめさめさ楽しみだけれど、やっぱ応為!!!!

 

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 連日2時間待ち!とかっていう話だったので、午前中いちばんのり!のつもりが思い切り出遅れて午後になってしまっていったいどうなることかと思ったけれど、この日はなぜかすいていて10分とかでするする入場。

 

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 しかし開場はさすがの激込みで隣の人の息がほおをしっとり湿らす近さ。けれどもみんなの譲り合いの精神がぽかぽかと発揮されて、予想以上にひとつひとつをゆっくりたっぷり見ることができました。富嶽三十六景は当然の人気でもちろんやけれども、個人的にぐっときたのはやっぱり『百橋一覧』。「一枚に橋百本描いたる!」っていうのがええやん。ほんで最後の別名の『画狂老人卍』も意味不明っていうか意味わかりすぎるっていうか、なんてゆうかすこぶる2014年的でもあってぴったりやん。きてれつ北斎、切ないやん。北斎のこと思ったら、「何かを作って生きてる人間は死なない程度に今日が何もかもの初めての日という気持ちでがんばろう」ってな気持ちになりますやん。

 

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 ほんで、北斎の花といえば、『紫陽花に燕』もいいけれど、やっぱ『芥子』!この風!……。

 

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 で、タイミング的には旧吉原ではあるけれど、やっぱり気になる一枚『吉原遊郭の景』。しかし左下ふたり女性だけ体が極端に小さいのは何でやのん。そういう気分だったのだろうか。まあとくに珍しいことでもないのだろうけれども、かむろやろうけど、格好からしてかむろにみえへんのが不思議やし、新造にしたら体が小さすぎる気がするし。

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 そしてそして今回のわたしの本丸、見たくて見たくてしょうがなかった、念願の、葛飾応為『三曲合奏図』。もう、何も言うことはありません。素晴らしかったです。残りの絵、いつかぜんぶ見ることができる日はくるのだろうか。とはいえ、花の絵がいま長野に来てるし、カナダの作家、キャサリン・ゴディエによる小説『応為と北斎』も刊行されたし、杉浦日奈子さんの『百日紅』もアニメになるという話もあるし、なにげに応為づいてはいるのよね! この機会に、ぜひとも山本昌代さんの『応為坦坦録』も復刊してくれ!!

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  そしてわたしはまた原稿書き&ゲラの毎日へ……。応為、一葉、最高最高ありがとう。

2014.11.10

お手紙をくださった彼女たちに

 

 『きみは赤ちゃん』を刊行してから色々なところでたくさんインタビューをしていただいて、そのつどに色々な話をしてきたのだけれど、デビュー当時からずうっと読んでくださってるという女性の方たちからも、うれしいお手紙やメールがたくさん届きました。

 

 みなさんのお手紙には共通する部分があって、それは『<どうして子どもをもとうと思ったのか>について、いつかどこかで書いてくれな」ということで、というのも、過去のインタビューや対談やエッセイなどで、わたしは「子どもをつくることにたいして、かなりの躊躇がある」というようなことを、書いたり話したりしてきたからなのでした。

 

 きっと最初からの読者でいてくれる彼女たちは、そんな考えかたというか気分というかに共感してくれる部分があって、そのうえでその変化というか、思い切りについて知りたいな、と思ってくださったのだと思います。そして「自分もいま、子どもを生むべきかどうか、すごく悩んでいる」と手紙には書かれてあって、たぶん、わたしについてだけじゃなく、子どもをもつことについての色々な考えかたにふれたいなと思ってらっしゃるのかもしれません。

 

 わたしが子どもを、もつ、というよりは存在させることを手放しでいいことやな、と思えなかったのは、社会との関係とか、自分が親になれるかどうかとか、そういう具体的なものではなくて、もっともっと単純なものでした。相談もなしに誰かをこの世界に一方的に登場させてしまうことが、すごく、なんというか、あまりにものすごすぎることのように思えて、こっちの勝手な思い込み&価値観だけで、とりかえしのつかないそんなことをやってしまってよいのか、という疑問が、子どものころからべったりはりついて、それが拭えなかったからでした。たとえば、おなじ子どもを育てるのであれば、無いところに有るをつくるより、すでに生まれてきてしまって親を必要としている子どもを養子にするほうが、なんというか、どちらかというといいことなんじゃないかと、そんなふうに思えていたのです。

 あとは、自分の母親にたいする気持ちも、けっこう大きな問題でした。

 そんなふうに十代、二十代を過ごしてきて、三十代で色々な環境の変化があって、それにともなってわたし自身にも変化があり、そして35歳でわたしは自分で選択して、妊娠、そして出産するわけなのですが……。

 

 先日、雑誌「kodomoe」さんでインタビューを受けました。

    これまでたくさん作品や自分のことについてお話する機会はありましたが、今回のインタビューは、分量もたっぷりある記事ということもありますが、これまでとはちょっと違った雰囲気&内容になったと思います。インタビュアーは、島﨑今日子さん。これまで「なんていい記事なんだろう、なんて読み応えのあるインタビューなんだろう……」と思えばかなりの確率でそれが島﨑さんのお仕事だったということもあって、当日は緊張しながら、そして本当に楽しい時間を過ごすことができました。

 

 いつだったか、誰かが言っていたことで印象に残っているのですが、いいインタビュー記事というのは、まとめが上手だったとか、うまく着地させることができているとかそういうことではなく、話す側が自分でもまるで想定していなかったことを話し(取材される機会が多いと、質問にたいする答えを自然に用意するようになってしまいます。よくも悪くも見取り図ができてしまうのです)、一見脈絡なくみえるいくつかの話のなかの文脈を見極め、インタビュイー自身が知らなかったこと、まだ言語化できていなかったことをまるで導かれるようにその場で言葉にしてしまい、それが活字になったようなもので、今回は、本当にそうとしか言えない体験でした。

 

 心のこもったお手紙をくださったみなさんへ、そして、いつも版元にお手紙を送ってくださるみなさんへ、本当は、おひとりおひとりにお返事差しあげたい気持ちなのですが、なかなかそうもできなくて、ごめんなさい。そして、ずいぶん遅くなって、ごめんなさい。今回のロングインタビューが、みなさんがお手紙に書いてくださった質問への何かしらのお返事になっていれば、とてもうれしいです。どうぞよろしくお願いします。

 

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2014.10.30

つくる男とつくる女、絵本の寄り添い、そして無理すじの桃太郎

 だんだん寒くなってセーター着たらちくちく、かゆかゆ、いつのまにか発生する毛玉って食器を洗うスポンジでさっさっとなでるだけできれいにとれてしまうらしいね、試したことはないんだけれど。

 

 ただいま発売中の VOGUE JAPAN 12月号に、阿部和重×川上未映子で登場しております。VOGUEの今号のテーマは「男と女」ということで、「つくる男とつくる女」という特集で、ふたりでインタビューを受けました。内容は、創作や生活において男と女のあれこれがどうなっているか、などなど様々な感じになっております。ポートレイトも掲載されており、撮影は操上和美さん。撮影の現場は素晴らしくあっと瞬くまでしたけれどもまたいつかみなさんとご一緒したいと思えるすてきな時間でした。今号&記事の詳細はこちらでも。

 

 ……ところで、『きみは赤ちゃん』のインタビューなどで、「で、この本を読んでの阿部さんの感想って、どんな感じですか……」と聞かれることがほんっとに多いんだけれど、じつはあべちゃん、まだ読んでないんだよね……。そう言うと「えええええええ」と驚愕し、そして「そ、そんなことがあっていいのか……」と心の底から震えてくれるんだけど、そう、あべちゃん、まだ読んでないんだよね! なんかすっごい忙しかったみたい。でもきっと、いつか読むはず……。

 

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 そして、玄光社さんより発売されております『子どもと一緒に読みたい絵本』にエッセイを寄稿しました。

 

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 子どもを絵本を読むということが連れてくる摩訶不思議でありつつも、しかしとてもとてもよく知っている感覚について書きました。おすすめの絵本、そしてわたしと絵本の思い出についてもふれています。

 絵本って、めさめさあるけど、おなじくらいどれにしようか迷いますよね……しかしこれがあれば安心だ!まるで絵本のエキスパートたちが寄り添って「これはどない……」「これもええで……」と(大阪弁ではないけれど)あれこれ教えてくれているような、そんな温かさにみちたすてきな一冊なのです。絵本対策はこれで安心! 絵本のことはまかせとけ! ぜひお手にとってご覧ください!

 

 今日も明日もインタビューで、来月にはトークショウもありますし、年内はまだまだ『きみは赤ちゃん』モードのわたしなのだった、なむなむ。そしてAmazonでは相も変わらず品切れだけど、しかしこの数ヶ月でAmazon品切れ耐性がばっちりついたわたしはもうそんなことは気にしない。そうしているうちにいつだって10月は退場なのだけれど、来週発売される週刊新潮には、義家衆議院議員による、池澤夏樹さんの桃太郎解釈批判について書きました。そして文庫版『すべて真夜中の恋人たち』も、さっそく重版のお知らせが。冬にむかう秋のはじまりに、読んでくださってるのがすごくうれしい。ありがとう……ああ、ほかにもお知らせがあったような気がするけれど、こぼれていたらまた追って! いまからスパゲティ食べ食べ取材にいってきまうまだ、着るもの迷う、シーズンだよね。

2014.10.29

『きみは赤ちゃん』トークイベント開催します!

 何度かお伝えしてまいりました『きみは赤ちゃん』のトークイベントの詳細が決定いたしましたので、お知らせいたします!

 

 hontoプレゼンツ『川上未映子トークショウ』

 日時 11月29日(土)

 場所 ドットDNP市谷田町ビル2階イベントスペース

 開場 10:00

 開演 11:00〜12:00

 応募方法 こちらから!

 お子様&赤ちゃんも大歓迎! 無料です!

 

 お申し込みは11月17日までで、抽選の結果、当選されたかたへメールを差し上げます。当日は東京FM『Hello smile cafe』の公開収録もかねております。みなさんとお会いして、『きみは赤ちゃん』の話はもちろん、いろんなお話できるのを楽しみにしています。よろしくお願いいたします!

 

2014.10.24

「フランスで読まれる川上未映子」満員で御礼、そして

 

 日仏会館で開催される、わたしの友人であり翻訳者であるパトリック・オノレさん、そして詩人であり作家である関口涼子さんお招きし、
 『すべて真夜中の恋人たち』の文庫化を記念しまして開催される、
 フランスで読まれる川上未映子なのですが、
 定員に達してしまったので申し込みを終了させていただきました。

  
 
 本来ならば120名ほどの会場なのですが、今回は椅子をたくさん追加して、なんとか200名前後の方々に聞いていただけるようにしてくださったのですが、しかしこちらもいっぱいに……。
 まだ先だし、これから予約するかー! と思われていたみなさまにおかれましてはごめんなさい、
 そしてお申し込みくださったみなさま、ありがとうございます。色んな話ができるのをすごく楽しみにしています。

 

 そして、少しまえにちょっとだけお知らせしました、『きみは赤ちゃん』にかんするトークイベント(お子様&赤ちゃんも大歓迎)は、申し込み方法など詳細は追ってお知らせしますが。日程は11月29日、お昼ま、ということに決まりましたので、この日はぜひに空けておいてくださいませ!

 

○現在発売中の『週刊現代』に『きみは赤ちゃん』にかんしましての、インタビューが掲載されております!
 この著者インタビューのページ、これまで三度登場しているのですが、恒例のQ&Aもございます。ぜひお読みくださいませ!

 
 

 で、今週のはじめに、『すべて真夜中の恋人たち』のサイン本を作りに行ってきました。

 

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 画数が少ないということもあるのですが、わたしはサインをするのがものすごーく早く、それはもうまわりが「もうちょっとゆっくりやれよ……」と思かもしれないくらいに早く、100冊とか15分くらいで終わってしまうのだった。
 これより早かったのは、故、渡辺淳一さんでいらっしゃったらしく、こう、テーブルいっぱいに本のサインをするページを開いて、書くというよりはもう塗っていくというあんばいで筆を一気に走らせるというそんな鮮やかな技をお持ちだったそうです。けっきょくわたしは、この日ぜんぶで500冊くらいにサインをさせていただいて、そして色紙なども作成しました。

 

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 みなさんに読んでもらえよ、遠くに行っても、がんばれよ……という気持ちを込めて、サイン書き書き。

 

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 そして都内の書店を数件伺って、パネルにこれまたサインをさせていただいたり、ポップにメッセージを寄せたりなど。
 そうそう書店の何が好きって、著者の直筆メッセージ、みたいなのももちろんいいけど、やっぱ書店員さんの、ほんとにこの本が好きなんだなーというのが伝わるポップを見る喜びに尽きるところもありますよね。ペンの色変えたり、縁取ったり、その本のよさを伝えようとあれこれ工夫して展開されていたりして。
 書店にいけば、時間のゆるす限り、ポップをあるだけぜんぶ見ちゃうな。
 本にたいする愛情があのようにかたちになっているのを見ると、「ああ、本というものを好きな人がここにいるんだな……」と、ふだんずうっと家で原稿を書いてるだけだと「うう、この小説をいったい誰が面白いと思うだろう、果たして誰が求めてくれるだろう……」とうっかり淋しく、そして心細くなる感覚を明るく呼び戻されて、あらためて今日もがんばろうとこれまたほんとに思うのだった。

 

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 そして、こんなポスターも作成していただきました。思わず壁に落書きしてしまいたくなる余白も素敵で、すべまよ感、ありますよね。撮影は石倉和夫さん、デザインは講談社チームです。
 単行本のときのポスターもモノクロでしたが、また雰囲気が違って装いもあらたに、という感じでございます。書店でみかけたらよろしくお願いいたします、というか、ポスターによろしくも何もないのだけれど……。

 

 『すべて真夜中の恋人たち』は、
 夢見ることもなく、自分に自信もなく、
 人生で愛に出会うことなど想像もしていなかった人の、恋物語です。
 これからどんどん寒くなる、冬の夜に、真夜中に。
 みなさんがどうかこの物語と出会ってくださいますように。

 

 

2014.10.15

秋ね、「すべて真夜中の恋人たち」文庫になっちゃって

 お知らせではない日記そう日記をこそわたしは書くためにブログをリニューアルしたのに、今日も今日とてお知らせがいくつかあって、なぜいつまでもこんなことになっているのだろうと思うけれど、大人が日々を生きるということは日々これ怠らず連綿と仕事をする、し続けるということでもあり、そしてお知らせは連綿のその結果、なのだから、これはこれで道理で道理、なのかもしれないのだった、ね。
 
 
 とまれ、本日、『すべて真夜中の恋人たち』の文庫本が発売されました。わーい。
 さっそく各書店でも、色々と展開くださっているみたいで、感激しております。
 あれから3年とは早いものだけれどどうぞよろしくお願いします。
 装丁は、単行本のときからひきつづき、名久井直子さんです。
 帯文には、当時、テレビ番組で爆笑問題の太田光さんが拙著についてコメントしてくださったものを、お借りしました、ぜひお手にとってくださいませ……。

 そして、今回の文庫化、この初夏にフランスで刊行されたことをあわせて記念いたしまして、
 11月19日はこちら、「フランスで読まれる川上未映子」も開催いたします。
 この機会にどうぞご参加くださいませな。
 お申し込みは、こちらから!
 
 
 『IN POCKET』10月号 にて『すべて真夜中の恋人たち』の特集が組まれておりまして、先日ご紹介しました、フランスのル・モンド紙に掲載された、インタビュー&書評の和訳が掲載されております。この機会にぜひー。
 
 
 『文藝春秋』11月号 にて、漫画家の伊藤理佐先生と対談しております。
 理佐先生の夫君はおなじく漫画家の吉田戦車さんでありまして、よく似た家庭環境つながり、そしておふたりとも育児漫画を多数刊行されていることもあり、生活や仕事のあれこれたくさんお話しました。理佐先生は、優しくて色白でとても楽しくて、あっという間の時間でした。タイトルは「子育て妻が不機嫌になるとき」です、どうぞお読みくださいませ!
 
 
 そして『きみは赤ちゃん』、みなさまにご好評いただいておりまして(ただいま7刷!)で、うれしいな。取材もまだまだ続いておりますので、またお知らせいたします。
 そして、11月末ごろには「きみは赤ちゃん」関連で、イベントを開催する予定でおります。
 詳細は追ってお知らせいたしますが、
 赤ちゃん&お子様と無料で参加いただける、もちろんお昼間の時間帯で、なにか楽しいことを考えておりますので、続報をお待ちくださいませ!たのしみしてまーす。

2014.10.08

秋の、さまざまなお知らせ

 空気の低いところ深いところをよく知ってる知らない匂いが流れて秋だね。
 腕ひんやり頬だけ熱くて、刺繍糸、気づけばぜんぶどっかにいった。

 今日も今日とてお知らせが!
 
 

 『中原中也研究 19』
 去る四月に中原中也記念館で行われた穂村弘さんとの対談「中原中也、その愛と魅力と謎」を収録されております。すべてそのままの採録となっておりまして、それぞれがとりあげた作品の読解、いわゆる中也の「名辞以前の謎」について、「春の日の夕暮れ」の冒頭のせんべいって何ですか問題、あとは子どもを亡くした体験とその詩作との関係について……などなどてんこもりですので、中也に興味あるかたはぜひ、お読みくださいませ。そして、こちらは基本的に中原中也記念館でのお取り扱いになっておりまして、
それ以外では、

東京/西秋書店、中央大学生活協同組合書籍店 
埼玉/ポエトリーカフェ武甲書店 
長野/譚詩舎 
愛知/ウニタ書店、精文館書店 
京都/三月書房
山口/文榮堂本店・山口大学前店

となります、よろしくお願いいたします!

 
○ 『新潮』11月号
 新潮新人賞の選評を寄せております。
 受賞は、高橋弘希氏「指の骨」。
 全選考委員一致での授賞で異例の早さで決定しました。
 ぜひ、お読みくださいませ。
 
○ 『SPUR』11月号
 モードとともに25年。ここで改めて基本に立ち返って、素直な気持ちで聞いてみた。ワールドワイドな100人に質問 「あなたにとってファッションってなんですか?」に答えました。ぜひご覧くださいませ。
 
○ 『MAMA MARIA』vol.2
 蜷川実花責任編集のママ雑誌! 
「今までのママ雑誌がしんどい」そんな働くママに捧げます!
 実花さんとの対談で登場しております。
 子どもをどのように育て、また教育すればよいのだろうか……私立に通わせるのか、公立でよいのか。
 お受験&幼児教育などなどそういうことにいっさい興味のないわたしだけれども、
 一生懸命あれこれ考え、実花さんと真剣に語り合いました。
 生んで数年ではやこのような事態が待っているなんてのう……。
 ぜひ、お読みくださいませな。

紗栄子、岩堀せり、紗羅マリー、鈴木えみ、内田春菊、西原理恵子、川上未映子、大竹しのぶ、君島十和子、小島慶子、神崎恵・・・他のママ雑誌では到底登場しないメンバーが、責任編集の蜷川実花とともに、自己の体験を赤裸々に明かしつつ、働くママのリアルな現状、子育てと仕事について語りつくします。
「専業主婦は薄い氷の上に存在している幸せ」
「仕事は自由の翼。子どもが生まれたからといって手放してはダメ! 」
ファッションやメークだけではない、全く新しいMAMAムックの第2弾です。

 
○ 「フランスで読まれる川上未映子」
2014年11月19日 
18:00?20:30
日仏会館 一階ホール
一般公開、入場無料

お申し込みは、こちらから!

【趣旨】
作家、川上未映子の作品は近年フランスで高く評価されており、また、現地のフェミニスムの観点から興味深い読みがなされていることもある。翻訳者パトリック・オノレとの対談では、具体的な例を挙げて、翻訳を通じて作品がどのように解釈されているのか、どのような読者層の支持を得ているのかを紹介する。また、作者本人がフランスでの反応に対しどのような印象を抱いたのかを考察する。

【ディスカッサント】 パトリック・オノレ(翻訳家)
【司会】 関口涼子(作家、翻訳家)

2014.10.02

「すべて真夜中の恋人たち」文庫化を記念して、「フランスで読まれる川上未映子」開催だよん

 早いもので『すべて真夜中の恋人たち』も文庫化の運びとなりまして、そうかあ、あれから3年くらい時間が経ったということやのかあ。あれも秋だったのう。妊娠初期のつわり地獄で、わかめを噛むことしかできなかったのを思いだします。ともあれ3年。ということは、そのあいだに短編書いたり、『きみは赤ちゃん』を書いたり、連載コラムも書いたりで、いつもずっと仕事ばっかりしてるはしているけれども、しかしわたし3年くらい長編を発表してないってことでもあって、心はあせるわ。はよ書きあげてはよ読んでもらいたいおすわ。
 
 で、『乳と卵』など拙著は色んな言語に翻訳されて刊行されているのですが、
 この春ごろに『すべて真夜中の恋人たち』もフランスで刊行されました。
 初夏に訪れたジュネーブ&パリは、シンポジウム参加にくわえてそのプロモーションのためでもあったのですが、そのときの通訳でもたいへんにお世話になり、そしてわたしの大切な翻訳者にして友人であるパトリック・オノレさんが来日して、このたび、お話することになりました。そして贅沢にも、司会というか進行役を引き受けてくださったのは詩人の関口涼子さん(うれしい……)。

 日本語で書かれた作品が翻訳され、
 まだ見ぬ読者に届くまでの過程や、その困難と面白さ、そして、翻訳という現場で何が起きているのか。 またジェンダーと文学について、詩と散文についてなど、
 当日はもう本当に色々な話をしたいと思っておりまーす。
 同時通訳もつきます。
 みなさま、ぜひこの機会にお越しくださいませな。
 ほいでもってこちらは、ちょっとまえにフランスのル・モンド紙に掲載されたインタビューです。
 発行はもうちょっとあとになるけれど、講談社の「INPOCKT」で『すべて真夜中の恋人』特集を組んでくださる予定ですので、そこに訳文も掲載されます。ちょっと時間差あるけれど、またお知らせしますので、合わせてぜひご覧くださいませな。

 

Kawakami  Le Monde

 

「フランスで読まれる川上未映子」
2014年11月19日 
18:00〜20:30
日仏会館 一階ホール
一般公開、入場無料

お申し込みは、こちらから!

【趣旨】
作家、川上未映子の作品は近年フランスで高く評価されており、また、現地のフェミニスムの観点から興味深い読みがなされていることもある。翻訳者パトリック・オノレとの対談では、具体的な例を挙げて、翻訳を通じて作品がどのように解釈されているのか、どのような読者層の支持を得ているのかを紹介する。また、作者本人がフランスでの反応に対しどのような印象を抱いたのかを考察する。

【ディスカッサント】 パトリック・オノレ(翻訳家)
【司会】 関口涼子(作家、翻訳家)

【登壇者プロフィール】
◎ 川上未映子
2007年、デビュー小説『わたくし率 イン 歯ー、 または世界』が芥川賞候補となり、次いで2008年『乳と卵』で同賞受賞。フランス語の他に、中国語(簡・繁体字)、韓国語、ベトナム語、スペイン語、ノルウエー語などに翻訳されている。
その後2009年に『ヘヴン』、2011年に『すべて真夜中の恋人たち』(ともに長編小説)を発表、ベストセラーとなる。
さらに2013年刊行の短編集『愛の夢とか』と合わせ、高い評価を得る。
詩人としての才能も高く、詩集2冊があるほか、エッセイ集・対談集多数。

◎ パトリック・オノレ
2003年より日本の現代・現在文芸 、児童文学、漫画など幅広く取扱い100冊以上の作品を訳す。2010年、リリー・フランキー『東京タワー、オカンとボクと、時々、オトン』(第17回日仏翻訳文学賞(小西国際交流財団主催)受賞 (Philippe Picquier出版)。漫画では水木しげる『のんのんばあとオレ』が2007年アングレム国際漫画祭最優秀作賞を受賞(Cornélius)。 川上未映子著作品では『乳と卵』、『すべて真夜中の恋人たち』、『ヘヴン』 (すべてActes Sud)を訳す。その他の主な翻訳に綿矢りさ、古川日出男、橋本治、小野不由美、内田百閒、夢野久作、他。

◎ 関口 涼子
1997年よりパリ在住。日本語とフランス語で著作活動を行う。著作に Ce n’est pas un hasard (POL), L’astringent (Argol), 翻訳に『悲しみを聴く石』(アティーク・ラヒーミー、白水社)、『素晴らしきソリボ』(パトリック・シャモワゾー、河出書房新社、近刊)など。近年は味覚と文学をテーマとした執筆活動をフランス語で行っている。2012年フランス芸術文化勲章シュヴァリエ受賞。2013年−14年フランス文科省招聘でローマのヴィラ・メディチに滞在。

【主催】 日仏会館フランス事務所
【助成】 (公財)小西国際交流財団
【協力】 講談社

2014.10.01

肺をみたして、時間をぬって

 金木犀の匂いがだんだん濃くなって10月登場。しかし時間の経つのはあまりに早く、今年も残りあとちょっとやなんて。子どもの頃はやっぱり長い時間を生きてたなあと思うこの15年ほど、ああ相対性理論はこのようにしてすべての場所に満ち満ちと、みんないつだってちがう時間を生きてる秋、いま、秋刀魚がおいしいね。

 で、刊行されてからもはや8割以上の期間がAmazonで品切れ状態という『きみは赤ちゃん』は、最近もずっと取材が続いておりまして(ただいま6刷!)、ありがたいことです。漏れているのもあるかもだけれども、いま読んでいただけるものをお知らせしまーす。

と、そのまえに!
そんな『きみは赤ちゃん』がこのたび電子書籍化されました!
kindleなどの専門の端末じゃなくても、iPadやiPhoneその他のスマホでも無料の専用アプリをダウンロードすれば読むことができます&こちらはもちろん品切れ、ということはありえませんので、深夜にふと思いたったお布団のなか、あるいは読むものをうっかり忘れた電車のなかでなど、どうぞよろしくお願いしまーす!(『乳と卵』Kindle版『世界クッキー』Kindle版も合わせて電子化されました!)

 
 
<インタビューなど>
○2014年10月号『ひよこクラブ』 インタビュー
○2014年10月号『FRaU』 ポートレイト&インタビュー
○2014年10月6日号『AERA』ワーキングマザー特集にてインタビュー
○CREAwebにて「川上未映子のお悩み相談」の後半はこちら
Cakesのインタビュー全3回はこちら
ミシマ社のインタビューもこちら
hontoのインタビュー&「こんなときにはこれを読むのよ!」はこちら

「BAILA」、「文藝春秋」、「kodomoe」、「AERAbaby」……とほかにもつづきますのでまたお知らせします。
 
 
<エッセイ>
○2014年夏号『yomyom』 にTOTOとのコラボレーション巻頭エッセイ、
『Hanako』 の連載「りぼんにお願い」は「なぜ深夜に突如フルメイクをしたくなるのか」について、
『週刊新潮』 の連載「オモロマンティック・ボム!」には占いの剣呑について
Frauの連載「伝説のコスメ」には、エスティーローダーの美容液について
 
 
<小説>
○短編小説「ふたりのものは、みんな燃やして」を書きました。
これは去年から文芸誌などで発表している、みっつの掌編にひとつのタイトルを冠したロンド式のもので、今回は、
「レネは誰のことも好きにならない」、
「イヴァンの寝室」、
「ヴリーランの愛の証明」

のみっつの話が入っています。全部で50枚くらい。こちらから購入&お読みいただけます!
 
 
 駆け足でのお知らせになってしまったけれどお知らせじゃなくて日記のような記事をわたしは書きたい、子どもがだいたい3歳ごろまで記憶がないってことと大人の記憶の関係についてぼやぼや思ってることも書きたいのだけれどそれは追って。あの匂い、あのせつな、苦手な人も切なくなる人もいるだろうけれど金木犀で肺をみたして時間をぬって、なんとかひとつ。

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