川上未映子

2014.09.12

あらゆるところにスケキヨが

 暑いのか涼しいのかわからないけれど、日差しが強いような気はするので「おまえもこれが塗られ納めよの……」と言いながら腕と首に日焼け止めを塗りました。ああ、空気には、晴れと夏の去り際と一度きりの匂いがたちこめて、胸は、何も目指しようもない運動を飽きもせず鳴らしている最中、誰かに耳を近づけてみれば聴こえるかもしれないし、聴こえないかもしれないから、誰かと耳のことは少し忘れてベランダにひとりきりで立ってみる、今年もまたこうして夏が終わってゆくをわたしたち、いつもの場所からまじ見てる。

 

 それで、『きみは赤ちゃん』にかんするロングインタビューがこちらでお読みいただけます!
「cakes〜若き文学者の肖像」
 ロングインタビューっつうぐらいのもので、かなりのヴォリュームになっておりまして、執筆についてのあれこれや、それでけっきょくどうやって生きてゆくのがいいのかなどなど、数週にわたって掲載される予定です。無料登録していただくとすべてをお読みいただけますので、10秒で完了しますゆえ、どうぞよろしくお願いしまーす。

 

 そして、9月17日はhontoで、
特設サイトが開設される予定でーす。
 こちらはインタビューなどに加え、わたしの「状況別おすすめ本のコーナー」などもあって……たとえば。

 「赤ちゃんがどうしても眠ってくれず、目の回りにムール貝をくっつけたような顔になってるけどそんなときだからこそ白目になりながらもなんとかして読んで眠ったつもりになりたい本!」

 ってな感じで、ほかいくつものシチュエーションを設定して、それぞれ3〜5冊を推薦文とともに、おすすめしております。ほいでもって、書店の店頭や色々なところでお手に取っていただけるフリーペーパー版の 「honto+」 にも現在、インタビューが掲載されております。
 そして今後は、

web版 「honto」 
フリーペーパー版 「honto+」 

 の両方で、状況別おすすめ本の連載、

「こんなときには、これを読むのよ!」

 が始まる予定です(今回は出産&育児がメインの選書だったけど、連載は、色んなシチュエーションよ……)。

 

 ほかにも五月雨式になってしまけどインタビューなど掲載されております。
 『ひよこクラブ』『女性セブン』、そして『FRaU』10月号 には、連載エッセイ以外に、「5分で、キレイ」特集に、インタビュー&ポートレイトで登場しております(ちなみに今週の週刊新潮は、にっくき口内炎をなくすためのレーザー治療について書いています!)。
 
 そして『きみは赤ちゃん』の書評も、こちらからお読みいただけます。
 吉田戦車さんによる、週刊文春の書評
 野崎歓さんによる、東京新聞の書評
 
 あと、共同通信や、女性誌でもたくさんご紹介されているみたいなのですが、
なかなか全部を追いきれず、ご紹介できたりできなかったりがはがゆいのだけれども、でも、ぜんぶ本当にうれしく思っております。ありがとうございます!
今後も、「AERA」「AERA BABY」、そして「BAILA」「CODOMOE」「文藝春秋」……などなど、対談や取材が続いておりますので、そのつどまたお知らせいたします。っていうか、出たときにぱっとお知らせできるのって、やっぱ twitter なのよね……。
  
 ところで2歳3ヶ月の最近のオニは、「悪魔の子なんじゃないだろうか……」と、頭のどこかに666が刻まれてないか探そうかと思うほど絶叫し、世界のすべてにたいして「否!」をぶつけまくっていた頃に比べるとまだ少しはましだけれど、しかし、バナナもぽーい、カレーも白飯ごとぽーい(このときの絶望感ゆうたら……)、しかもそのあと自分のぽーいに悔しくてまた激しく号泣と、まあ、相変わらずの魔の2歳児、そんなような日々なのだった。
 で、「鬼から電話」も「エイリアンから電話」もまったく効果がなくなった今現在……我が家の頼みの恐怖先生は「スケキヨ」なんだよね……。いつだったかの夜、顔に保湿パックを貼付けたわたしを見て心の底から「!!」となり、もじどおり震えあがって自ら布団に「ぎゅん!」っと飛び込んでいったのを見て、「これは使えるでな、うしし……」となったんである。
 

inugamip

 
 この画像をiPhoneに保存し、いつでもさっと取り出して印籠っぽく使うのである。それからオニの世界にはあらゆるところにスケキヨが存在することになったのだけど、われわれも、もう「スケキヨ」といえばどうにかなると思ってるから、いつなんどきでもスケキヨが適用されることになり、そうするともうスケキヨのスケキヨ性が完全に変化してもはやキャラでも何でもなくなり、たとえば外食してるときに床に落としたものを拾って食べようするオニに「あっ、もうそれ、落ちてスケキヨになったから無理」とか、炎天下やのになかなか帽子をかぶろうとしないオニに「もー、何回もおなじことゆわさんと、ほれ、はよスケキヨかぶって!」とか、スケキヨはじつに高い汎用性を獲得するにいたって、朝から夜までたいへんお世話になっているのやった……しかしときどき、ぬいぐるみやわたしをぱちんと叩いたオニに「あっ、やめて……スケキヨが痛がってる……」とか、むしろそれオニ的には好都合なんじゃないのというような具合に使い方を間違ったりもして。でも、いまのところスケキヨがいちばん効いてます……お困りのお母さまも、スケキヨいかが……。