川上未映子



2017.09.01

News トーク

早稲田文学 川上未映子責任編集「女性号」刊行記念

『編集長、女性号について大いに語る』

日時 9月30日 開場18:00、開演19:00

場所 青山ブックセンター本店

[1]青山ブックセンターウェブサイトの「オンライン受付」にて『早稲田文学 川上未映子責任編集「女性号」』のご購入。

*書籍の発送はございません。発売後、イベント当日あるいはご希望の方は事前に店頭にてお渡しいたします。

[2]店頭レジにて受付いたします。申込時に書籍代金 2,376 円(税込)をお支払い頂きます。*発売後(9月21日予定)、イベント当日あるいはご希望の方は事前に店頭にてお渡しいたします。

[3]*発売日(9月21日予定)以降、席がある場合、青山ブックセンター本店にて、『早稲田文学 川上未映子責任編集「女性号」』のご購入。当日の参加整理券をお渡しいたします。

お問い合わせ先

青山ブックセンター本店

受付時間 10:00~22:00

申し込みは、こちら。

9月1日10時〜、青山ブックセンターウェブサイトにてオンライン予約&本店にて店頭予約開始。※電話予約は受付けていません。

2017.09.01

News 増刊

早稲田文学増刊 川上未映子責任編集「女性号」

が刊行されます。

発売日は9月20日です。

2017.09.02

早稲田文学増刊 川上未映子責任編集「女性号」 巻頭言全文

早稲田文学増刊 川上未映子責任編集「女性号」

 

<巻頭言>

 

  数年前、ある女性作家と話していたときのこと。

「いつだったか、どこかの文芸誌が女性特集みたいなことをやって、書き手を全員女性にしたんですよね。でもわたしあのとき、古いなあって白けちゃって。今さらフェミって感じでもないしなあって思ってしまった」。

 

 わたしはその文芸誌の存在を知りませんでしたが、女性が女性について語ったり書いたり、読んだりするそんな特集があるなら読んでみたいと思いました。毎月、無数に刊行されているなかでそんな雑誌があって当然だし、論壇誌や思想誌では逆のことが当たりまえに起きているのに、なぜそれが女性になると特殊な出来事のように思われるのだろう。他愛のない会話の中の彼女の何気ない発言をわたしはその後、折にふれ思いだすことになりました。とくに脈絡もなく、ふとしたときに頭をよぎるのです。

 

 今回、早稲田文学の外部編集委員になり、責任編集というかたちで特集を組むにあたって、わたしはすぐに「古くて白けて今さらフェミ」と件の彼女が感じたような特集をぜひやってみたいと思いました。とはいえ、女性という言葉にはご存じのとおり様々な問題が付随しています。

 まず、女性とは何なのか。誰のことを指し、またどのような認識や条件によってそれが可能なのか。仮に女性というものに定義を与えることができたとして、そのうえで女性をテーマにすることにどのような意義があるのか。性別二分法を容認し、より閉塞感を強めることになるのではないか。現在取り組むべきは女性に限定したものではなく人権全般について、あるいは性の多様性と可能性についてではないのか。女性が女性について語るのは退行ではないのか。問題はいつでも「人間」ではないのか。

 

 しかし、それでもなお、女性というものは存在しています。女性一般というものがなく、また、それがどのような文脈で語られるにせよ、女性は存在しています。

  SNSの普及によって性をめぐるポリティカルコレクトネスの議論が可視化され、以前に比べて人々が意見/異見を表明し、それをシェアする機会が増えました。世界中の様々な人々の状況や活動を知ることができ、これまでの常識や現状を相対化するための一歩を踏みだしたようにも思えます(むろん不毛な局面も多いですが)。性をめぐる問題は十年一日のもどかしさもたしかにあるけれど、しかし何かが少しずつ変化しているのではないか。もしかしたら今が、何度目かの、何かが変り始めようとしているその瞬間なのではないだろうか。あまりに楽観的な観測ですが、そう信じることで動きだす何かがあるはずだとも感じています。

  特集を組むにあたり、本当は2017年現在における、ありとあらゆる分野における女性についての表現活動と諸問題を今号に網羅し記録しておきたい──そんな強い気持ちがありました。けれどもそれは現実的に難しい。わたしはフェミニストですが、フェミニズムを学問として学んだことはありませんし、専門家による女性学やクィア批評、ジェンダーをめぐる慎重にして優れた特集や論考は数多くあり、わたしたちはそれらを読み、議論に参加することができます。そして言うまでもなく、創作の動機のすべてが、正しさの追求にあるわけではありません。多くの場合は秩序よりも混沌を好み、決定よりも保留を好み、安定よりも動揺を好みます。

 

 では今回、文芸誌である早稲田文学の特集では何に特化し、集中するべきか。既視感に溢れる動機だと思われるかもしれませんが、「女性」というものと「書く」という表現がどのような関係にあるのか、またそれらはどのように読まれ、あるいは、読まれないのか。過去に、「女性が書く」あるいは「女性について書く」、「それらを読む」という行為においてどのような抑圧と解放と変化があったのか。「人間を書く」ということと「女性を書く」ことはどのようにおなじで、どのように違うのか、あるいは違わないのか。そして現在、女性の創作をめぐる状況はどのようにしてあるのか──それらをしっかりと形にし、記録したいと思いました。

 

 生きている人たちの、そして死んで今はいなくなってしまった人たちの、素晴らしい作品を掲載することができました。この特集のために、多くの素晴らしい書き手たちが新しい作品を寄せ、また再録を許可してくれました。ついこのあいだ生まれたばかりの作品、百年以上も前の作品、そしてそのあいだに書かれてきた多くの作品たち──この本を開いてくれた読者の「今」に、それらがいっせいに立ちあがるところを想像すればこみあげてくるこれを、わたしはまだ言葉にすることができません。この特集を読んでくれたあなたは、いったいどんなことを思うだろう。どんなことに疑問をもち、どんなことに興奮して、どんなことに首をかしげ、どんなことを愉しんで、そして夢中になってくれるだろう──この一冊が、現在の記録であるのと同時に、読んでくれた読者を──とりわけこれからを作ってゆく読者たちを勇気づけ、新たな問いかけの機会になることを、心から願っています。

 

「どうせそんなものだろう」、そう言ってあなたに蓋をしようとする人たちに、そして「まだそんなことを言っているのか」と笑いながら、あなたから背を向ける人たちに、どうか「これは一度きりのわたしの人生の、ほんとうの問題なのだ」と表明する勇気を。それが本当のところはいったいなんであるのかがついぞわからない仕組みになっている一度きりの「生」や「死」とおなじように、まだ誰にも知られていない「女性」があるはず。まだ語られていない「女性」があるはず。そして、言葉や物語が掬ってこなかった/こられなかった、声を発することもできずに生きている/生きてきた「女性」がいる。そしてそれらは同時に、「語られることのなかった、女性以外のものやできごと」を照らします。

 

 そこで本当は何が起きているの。

 あなたは、どこからきて、どこへいくの。

 ねえ、いまあなたは、なんて言ったの?

 

 いつもあまりに多くのことを見過ごして、そしてまちがってしまうわたしたちは、まだ何にも知らない。わたしたちは知りたい。わたしたちは書きたい。わたしたちは読みたい、目のまえにひろがっているこれらのすべてがいったいなんであるのかを、胸にこみあげてくるこれがなんであるのかを、そしてそれらを書いたり読んだりするこれらが、いったいなんであるのかを、知りたい──その欲望と努力の別名が、文学だと思うのです。

 

川上未映子

 

 

 

 

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2017.09.01

早稲田文学 川上未映子責任編集「女性号」刊行のお知らせ

 ついに……!みなさんにお知らせできる今日という日がやってきた!

 早稲田文学増刊 川上未映子責任編集「女性号」が、刊行されます!わーい!

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 見てくれやこの表紙この目次……と思わず大阪弁で話しかけたくもなるんやけどわたしはごく控えめにゆうて感無量や。今号の書き手はすべて女性、総勢82人の作品を収録することができました。

 

 生きている人、そして死んでしまっていまはもういない人……素晴らしい作品をジャンルも年代も問わず、作品のダイナミズム&バイオリズム&直観&独断でこのような並びでみなさまにお手にとってお読みいただけるこのしあわせよ……!!発売は9月20日!ワー!目次の詳細はこちら!!!

 本特集の巻頭言はこちらに。ぜひ、読んでください。

 

 今回の「女性号」にまつわることを早稲田文学のツイッターでも発信してまいります。

 そして個人的なアルバム的使用でアカウントだけはとっていたインスタグラムも動かして、イベントや内容についてのことほか様々な写真もアップしようと思います。けっきょく改行のしかたもわからない初心者&ものぐさですが、みなさんフォローよろしくです!kawakami_mieko でーす。

 

 

 そして、刊行を記念しましてローンチイベントも開催します!

 

  早稲田文学 川上未映子責任編集「女性号」刊行記念

『編集長、女性号について大いに語る』

※予約はいっぱいとなりました。ありがとうございます。

 

 日時 9月30日 開場18:00、開演19:00

 場所 青山ブックセンター本店

 

[1]青山ブックセンターウェブサイトの「オンライン受付」にて『早稲田文学 川上未映子責任編集「女性号」』のご購入。

*書籍の発送はございません。発売後、イベント当日あるいはご希望の方は事前に店頭にてお渡しいたします。

[2]店頭レジにて受付いたします。申込時に書籍代金 2,376 円(税込)をお支払い頂きます。*発売後(9月21日予定)、イベント当日あるいはご希望の方は事前に店頭にてお渡しいたします。

[3]*発売日(9月21日予定)以降、席がある場合、青山ブックセンター本店にて、『早稲田文学 川上未映子責任編集「女性号」』のご購入。当日の参加整理券をお渡しいたします。

 

 お問い合わせ先

 青山ブックセンター本店

 受付時間 10:00~22:00

 申し込みは、こちら!!!!!

9月1日10時〜、青山ブックセンターウェブサイトにてオンライン予約&本店にて店頭予約開始。※電話予約は受付けていません。

2017.08.27

News トークショー

トークショー「女性が決断するときに、大切な二、三の事柄について」
9月16日(土) 14:00(開場13:30)
NEWoMan(ニュウマン)5階「ルミネゼロ」
渋谷区千駄ヶ谷5―24―55(JR新宿ミライナタワー内)
200名※入場無料
応募はこちらのページから。

2017.08.07

News ライブ

中原中也生誕110周年記念ライブ 東京インスピレーション vol.6
『海越えていく声、女よ、子守唄よ!』 ~ 中原中也 × 藤原安紀子 × 川上未映子 VOICE SPACEが、いま、届ける声の音楽 ~
2017年9月2日(土)
【午後の部】16:00開演
ゲスト:藤原安紀子(詩人)
【夜の部】19:00開演
ゲスト:川上未映子(詩人、小説家)※夜の部のチケットはすでに売り切れました。
出演:VOICESPACE <小林沙羅(ソプラノ)黄木透(テノール)、小田朋美(ピアノ、声)、早坂牧子(声)、 澤村祐司(箏)、豊田耕三(アイリッシュフルート、ホイッスル)、関口将史(チェロ)>
ゲスト:藤原安紀子(午後の部のみ)、川上未映子(夜の部のみ) ゲストピアニスト:結城奈央
会場:渋谷公園通りクラシックス
〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町19-5 東京山手教会B1F

料金:3,500円(入れ替え制/各90分)
後援:中原中也記念館

2017.07.28

News ポル訳

短編「彼女と彼女の記憶について」の翻訳が「GRANTA Portugal」に掲載されました。
オリジナルは「MONKEY」のvol.2に掲載です。

2017.07.28

News 英訳

米国の雑誌『Monkey Business International No.7』に、詩「戦争花嫁」(『水瓶』収録)の英訳が掲載されました。
なお、2016年に出た『Monkey Business International No.6』では、詩「私の赤ちゃん」(同じく『水瓶』収録)の英訳が掲載されています。
Kindle版なら、No.6No.7も入手できます。

2017.07.07

News ウィステ

小説「ウィステリアと三人の女たち」が、「新潮」8月号に掲載されました。

2017.07.07

News 鼎談

「すばる」8月号に、5月13日に日本近代文学館で行われた鼎談が掲載されています。
伊藤比呂美さん、平田俊子さんと「詩人と朗読」をテーマにお話しました。


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