川上未映子

雑誌

2017.10.02

WAN主催、ミニコミに学ぶ!「銃後史ノート」読書会に参加します

 

 先日は「早稲田文学 女性号」ローンチイベントにお越しくださったみなさま、ありがとうございました。開演までの30分、マッドマックス・フューリーロードをラフマニノフ、シンフォニー2番でご覧いただいたひととき、高まりました……さて、さすがの秋って感じで、読書、文学、様々にまつわる色々な催しが!!こちら、参加します!混乱のとき、変化のときに生きた女性たちが書き残したテキストを読み、感じ考えたことをお話できればと思います。みなさま、ぜひこの機会に、ふるってご参加くださいな。とても楽しみにしています。

 

 

●シリーズ・ミニコミに学ぶⅠ―『銃後史ノート』編 『こうして戦争は始まる――孫世代が出合う「銃後の女たち」』

過去の経験を今に生かす」ことは可能なのか?「女たちの現在を問う会」編著による『銃後史ノート』(戦前編)を取りあげ、当時を生きた人々だけでなく戦争を知らない幅広い世代の人々と一緒に、日本がどのように戦争に突き進んだか、女性が任された「銃後」とは何だったのかを振り返り、現在と何が似ているのか、何が違うのかを考えます。

 

日時:2017年11月11日(土)13:30~17:00
場所:上智大学2号館401教室
定員:200名
対象者:テーマに関心のある方
参加費用:1000円(WAN会員は資料代500円)
申込み:uenoseminar@wan.or.jp へメールで申し込み (タイトルを「銃後史ノートに参加希望」とし本文に氏名・連絡先・WAN会員の有無明記のこと)
定員になり次第終了

話者:
・加納実紀代さん
(「銃後史ノート」編集同人、女性史研究者)
・むらき数子さん
(「銃後史ノート」編集同人、ミニコミ「むらき数子情報ファイル」発信)
・佐藤文香さん
(ジェンダー研究者、一橋大学教授)

トーク(読者):
・川上未映子さん 作家
・小林エリカさん 作家、漫画家
・福田和香子さん 元SEALDs

コーディネータ:上野千鶴子さん(WAN理事長)

●タイムテーブル
 第1部
 開会の挨拶、ミニコミ図書館や今回の主旨について
「女性の戦争協力と『銃後史ノート』」加納実紀代さん
「私にとっての『銃後史ノート』――少年志願兵を止められる母になりたかった」むらき数子さん
「銃後からフロントへ―女性活躍時代の自衛隊」佐藤文香さん
トーク①福田和香子さんの感想発表
トーク②小林エリカさんの感想発表
トーク③川上未映子さんの感想発表
第2部
ディスカッション
まとめ:上野千鶴子さん
閉会挨拶・謝辞

主催:認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク ミニコミ図書館+WAN上野ゼミ
共催:上智大学蘭科研

●参考論文
今回『銃後史ノート』(戦前編)より9論文を取り上げてディスカッションします。
そのうち、以下の6論文についてはミニコミ図書館において掲載しています。
是非事前にご一読の上、ご参加ください。
・復刊1号より「<死>の誘惑―三原山・自殺ブームをめぐって」加納実紀代

・復刊1号より「「母性」からの離陸とその挫折」長谷川啓

・復刊3号より「「紀元二千六百年」と教育改革」小園優子

・復刊3号より「「紀元二千六百年」―まつりと女―」むらき数子

・復刊7号より「民法改正―家制度の廃止をめぐって」植田朱美・香川福子

・復刊7号より「児童雑誌の中の“民主主義”」小原解子

2017.09.02

早稲田文学増刊 川上未映子責任編集「女性号」 巻頭言全文

早稲田文学増刊 川上未映子責任編集「女性号」

 

<巻頭言>

 

  数年前、ある女性作家と話していたときのこと。

「いつだったか、どこかの文芸誌が女性特集みたいなことをやって、書き手を全員女性にしたんですよね。でもわたしあのとき、古いなあって白けちゃって。今さらフェミって感じでもないしなあって思ってしまった」。

 

 わたしはその文芸誌の存在を知りませんでしたが、女性が女性について語ったり書いたり、読んだりするそんな特集があるなら読んでみたいと思いました。毎月、無数に刊行されているなかでそんな雑誌があって当然だし、論壇誌や思想誌では逆のことが当たりまえに起きているのに、なぜそれが女性になると特殊な出来事のように思われるのだろう。他愛のない会話の中の彼女の何気ない発言をわたしはその後、折にふれ思いだすことになりました。とくに脈絡もなく、ふとしたときに頭をよぎるのです。

 

 今回、早稲田文学の外部編集委員になり、責任編集というかたちで特集を組むにあたって、わたしはすぐに「古くて白けて今さらフェミ」と件の彼女が感じたような特集をぜひやってみたいと思いました。とはいえ、女性という言葉にはご存じのとおり様々な問題が付随しています。

 まず、女性とは何なのか。誰のことを指し、またどのような認識や条件によってそれが可能なのか。仮に女性というものに定義を与えることができたとして、そのうえで女性をテーマにすることにどのような意義があるのか。性別二分法を容認し、より閉塞感を強めることになるのではないか。現在取り組むべきは女性に限定したものではなく人権全般について、あるいは性の多様性と可能性についてではないのか。女性が女性について語るのは退行ではないのか。問題はいつでも「人間」ではないのか。

 

 しかし、それでもなお、女性というものは存在しています。女性一般というものがなく、また、それがどのような文脈で語られるにせよ、女性は存在しています。

  SNSの普及によって性をめぐるポリティカルコレクトネスの議論が可視化され、以前に比べて人々が意見/異見を表明し、それをシェアする機会が増えました。世界中の様々な人々の状況や活動を知ることができ、これまでの常識や現状を相対化するための一歩を踏みだしたようにも思えます(むろん不毛な局面も多いですが)。性をめぐる問題は十年一日のもどかしさもたしかにあるけれど、しかし何かが少しずつ変化しているのではないか。もしかしたら今が、何度目かの、何かが変り始めようとしているその瞬間なのではないだろうか。あまりに楽観的な観測ですが、そう信じることで動きだす何かがあるはずだとも感じています。

  特集を組むにあたり、本当は2017年現在における、ありとあらゆる分野における女性についての表現活動と諸問題を今号に網羅し記録しておきたい──そんな強い気持ちがありました。けれどもそれは現実的に難しい。わたしはフェミニストですが、フェミニズムを学問として学んだことはありませんし、専門家による女性学やクィア批評、ジェンダーをめぐる慎重にして優れた特集や論考は数多くあり、わたしたちはそれらを読み、議論に参加することができます。そして言うまでもなく、創作の動機のすべてが、正しさの追求にあるわけではありません。多くの場合は秩序よりも混沌を好み、決定よりも保留を好み、安定よりも動揺を好みます。

 

 では今回、文芸誌である早稲田文学の特集では何に特化し、集中するべきか。既視感に溢れる動機だと思われるかもしれませんが、「女性」というものと「書く」という表現がどのような関係にあるのか、またそれらはどのように読まれ、あるいは、読まれないのか。過去に、「女性が書く」あるいは「女性について書く」、「それらを読む」という行為においてどのような抑圧と解放と変化があったのか。「人間を書く」ということと「女性を書く」ことはどのようにおなじで、どのように違うのか、あるいは違わないのか。そして現在、女性の創作をめぐる状況はどのようにしてあるのか──それらをしっかりと形にし、記録したいと思いました。

 

 生きている人たちの、そして死んで今はいなくなってしまった人たちの、素晴らしい作品を掲載することができました。この特集のために、多くの素晴らしい書き手たちが新しい作品を寄せ、また再録を許可してくれました。ついこのあいだ生まれたばかりの作品、百年以上も前の作品、そしてそのあいだに書かれてきた多くの作品たち──この本を開いてくれた読者の「今」に、それらがいっせいに立ちあがるところを想像すればこみあげてくるこれを、わたしはまだ言葉にすることができません。この特集を読んでくれたあなたは、いったいどんなことを思うだろう。どんなことに疑問をもち、どんなことに興奮して、どんなことに首をかしげ、どんなことを愉しんで、そして夢中になってくれるだろう──この一冊が、現在の記録であるのと同時に、読んでくれた読者を──とりわけこれからを作ってゆく読者たちを勇気づけ、新たな問いかけの機会になることを、心から願っています。

 

「どうせそんなものだろう」、そう言ってあなたに蓋をしようとする人たちに、そして「まだそんなことを言っているのか」と笑いながら、あなたから背を向ける人たちに、どうか「これは一度きりのわたしの人生の、ほんとうの問題なのだ」と表明する勇気を。それが本当のところはいったいなんであるのかがついぞわからない仕組みになっている一度きりの「生」や「死」とおなじように、まだ誰にも知られていない「女性」があるはず。まだ語られていない「女性」があるはず。そして、言葉や物語が掬ってこなかった/こられなかった、声を発することもできずに生きている/生きてきた「女性」がいる。そしてそれらは同時に、「語られることのなかった、女性以外のものやできごと」を照らします。

 

 そこで本当は何が起きているの。

 あなたは、どこからきて、どこへいくの。

 ねえ、いまあなたは、なんて言ったの?

 

 いつもあまりに多くのことを見過ごして、そしてまちがってしまうわたしたちは、まだ何にも知らない。わたしたちは知りたい。わたしたちは書きたい。わたしたちは読みたい、目のまえにひろがっているこれらのすべてがいったいなんであるのかを、胸にこみあげてくるこれがなんであるのかを、そしてそれらを書いたり読んだりするこれらが、いったいなんであるのかを、知りたい──その欲望と努力の別名が、文学だと思うのです。

 

川上未映子

 

 

 

 

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2017.09.01

早稲田文学 川上未映子責任編集「女性号」刊行のお知らせ

 ついに……!みなさんにお知らせできる今日という日がやってきた!

 早稲田文学増刊 川上未映子責任編集「女性号」が、刊行されます!わーい!

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 見てくれやこの表紙この目次……と思わず大阪弁で話しかけたくもなるんやけどわたしはごく控えめにゆうて感無量や。今号の書き手はすべて女性、総勢82人の作品を収録することができました。

 

 生きている人、そして死んでしまっていまはもういない人……素晴らしい作品をジャンルも年代も問わず、作品のダイナミズム&バイオリズム&直観&独断でこのような並びでみなさまにお手にとってお読みいただけるこのしあわせよ……!!発売は9月20日!ワー!目次の詳細はこちら!!!

 本特集の巻頭言はこちらに。ぜひ、読んでください。

 

 今回の「女性号」にまつわることを早稲田文学のツイッターでも発信してまいります。

 そして個人的なアルバム的使用でアカウントだけはとっていたインスタグラムも動かして、イベントや内容についてのことほか様々な写真もアップしようと思います。けっきょく改行のしかたもわからない初心者&ものぐさですが、みなさんフォローよろしくです!kawakami_mieko でーす。

 

 

 そして、刊行を記念しましてローンチイベントも開催します!

 

  早稲田文学 川上未映子責任編集「女性号」刊行記念

『編集長、女性号について大いに語る』

※予約はいっぱいとなりました。ありがとうございます。

 

 日時 9月30日 開場18:00、開演19:00

 場所 青山ブックセンター本店

 

[1]青山ブックセンターウェブサイトの「オンライン受付」にて『早稲田文学 川上未映子責任編集「女性号」』のご購入。

*書籍の発送はございません。発売後、イベント当日あるいはご希望の方は事前に店頭にてお渡しいたします。

[2]店頭レジにて受付いたします。申込時に書籍代金 2,376 円(税込)をお支払い頂きます。*発売後(9月21日予定)、イベント当日あるいはご希望の方は事前に店頭にてお渡しいたします。

[3]*発売日(9月21日予定)以降、席がある場合、青山ブックセンター本店にて、『早稲田文学 川上未映子責任編集「女性号」』のご購入。当日の参加整理券をお渡しいたします。

 

 お問い合わせ先

 青山ブックセンター本店

 受付時間 10:00~22:00

 申し込みは、こちら!!!!!

9月1日10時〜、青山ブックセンターウェブサイトにてオンライン予約&本店にて店頭予約開始。※電話予約は受付けていません。

2017.07.28

GRANTA Portugal に短編が掲載されました

 

 

 短編「彼女と彼女の記憶について」が「GRANTA Portugal」に掲載されました。グランタ・ポルトガルの今号の特集テーマは「食べる」です。オリジナルは柴田元幸さんが責任編集を務める文芸誌「MONKEY」のvol 2での掲載。英訳は、GRANTA web で読むことができまーす。このときのテーマは「所有」でした。

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 翻訳も増えてきておりまして、こちらで確認していただけるとうれしいです。今書いている長編を早く完成させねばならぬと心は焦るわしかし、5歳児のポテンシャルは半端なく、6分の1しか仕事できていないと感じるこの感じは、少しましになったとはいえ常に常にじりじりして、そのせいで歯ぎしりがすごいのか、現在わたしは40歳にして歯列矯正をしています。このままだと歯をくいしばりすぎて奥歯がなくなってしまうよということで、著作的にもそれはあかんやろということで、痛いし大変だけれどときどき白目でがんばっています。

 

色々お知らせ滞っているけれど追って追って。夏のささやかな思い出などもアップしたいな。

2016.04.12

春だった

 

 昨日の寒さにはびっくりしたけれどしかしたしかに春だった。ここ10日間ほどわりにひどい風邪をひいていて、治ったかなと思ったらぶり返し、それもおさまったかなと思ったら巻き返し、みたいな感じでじつに冴えない日々なのだった。しかしわたしの冴えなさをこころゆくまで楽しむ、ということはわたしの人生においてもう許されないのであって、難儀なことです。

 

 ただいま発売中の『Frau』5月号に、1万字インタビューが掲載されています!すごいヴォリューム、そしてポートレイトも載っております。ぜひ、お手にとってお読みくださいませ。

 

 そしてただいま発売中の『文學界』は新人賞発表号です。受賞作は渡辺勝也氏『人生のアルバム』、砂川文次氏『市街戦』。おめでとうございます。同号に、選評が掲載されています。

 

 先日、拙作『あこがれ』が、第一回渡辺淳一文学賞を受賞して、そのお祝いのお花が家にあふれていてわたしは本当にうれしい。なんという花のかわいさだろう。胡蝶蘭、ばら、ユリ、なにもかも。こうしてお花が盛り盛りと家に届くと十日間ほど至福の時間を過ごせるのだけれど、しかしみながいっせいに枯れてゆくさまはそれはそれでけっこう淋しいんですよね……写真は、大好きなル・ベスベさんのアレンジメント……!

 

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  そして映画『グレムリン』のご存知ギズモ……!知らないうちにこの映画が大好きな息子が撮っていました。ところでこのギズモって壮絶な絶壁頭で、撫でてると他人事と思えないんだよね。今度横から撮ってみます。

 

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 若いとき、桜は大変なものだった。今でもその理由はわかるけど、しかしこのあいだ猛烈に咲く桜の樹の下を車でくぐり抜けたとき、やられる感じはもうしなかった。この花の、どうもこの世のものではないような雰囲気を、時間の柔らかな底をすっかりさらって胸にそっくり移し変えるその手つきを、今やわたしは堂々と無視し、そしてうたた寝さえしてみせたのだ。

 

2016.02.05

米文芸誌「Denver Quarterly」、「Pleiades」 に詩と短編

 

 ちょっとまえになっちゃったけどアメリカの文芸誌「Denver Quarterly Vol.49」に、“The Elephant’s Eye is Burning, Burning”が掲載されました。「象の目を焼いても焼いても」という詩です。第一詩集「先端で、さすわ さされるわ そらええわ」に収録されています。

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 そしてさらにおなじく文芸誌「Pleiades」には、“Strawberry Fields Forever and Ever”が掲載されました。こちらは短編集「愛の夢とか」に収録されている「いちご畑が永遠につづいてゆくのだから」です。うれしいな。翻訳は由尾瞳さん。ぜひお手にとってみてください!

 

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2015.12.04

SUNTORY『フレシネ』×川上未映子、そして高校生ビブリオバトル

気がつけば、気がつけばもう12月。スマートフォンの電池残量でいえば、8パーセントを切るくらいでしょうか。

この秋わたしは何をしていたんだろう……とか思わず思ってしまうけれど、みなさんとおなじように毎日息をつくまもなく忙しかった……シンガポールへ行き、新刊『あこがれ』サイン会をし、書店へゆき、イベントに出て、先週末は『ただようまなびや』IN 郡山に参加してワークショップをしたりなど……そして今……気がつけば今年も終わり、みなさんいかがお過ごしでしょうか。もう、何もかもが滞っているのですが今日も今日とてお知らせです!

 

ただいま、SUNTORY『フレシネ』×川上未映子、さまざまなところで展開中です。そう、秋のスペインは『フレシネ』さんの生まれるところのすべてを目撃するべくの旅だったのです!

 

12月はこれから街のさまざまなところで巨大ポスターがお目見えします!手書きのコピーもご覧いただけます。

 

サイトはこちらからご覧になれます。 素晴らしい映像&写真の数々は写真家の市橋織江さん……!

 

そしてただいま発売中の『VOGUE JAPAN』では、スペインのバルやワイナリー訪問、おいしくいただいた食事や葡萄畑など……!滞在記録&インタビュー、そして短編『夢の足』が掲載されています。

 

そしてそして、「フレシネ×日経DUAL×川上未映子」、全16回コラムがスタートしました!ワーママ(働くお母さん)たちの心をつかんで離さない日経DUALでの連載コラム、タイトルは『川上未映子のびんづめ日記』!今日からスタートでーす!第一日目のスタートは『早期教育』!ぜひお読みくださいませー!

 

 

フレシネの研究施設に飾ってあった絵

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何度きいても忘れてしまう、パスタでできたパエリア

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グエル公園にはいけなかったけど街にあったガウディの建物、一階はショップでした

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そしてサグラダファミリア

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名前を知らない丘からみた景色

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セルフィーなど

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生鮮市場にあった子どもの遊具

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魚介類の驚くべき安さ!信じられなかった

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カフェでのひととき

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どこかでみかけたもの

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生ハム。塩気がすごかったけど、慣れてしまうものね

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ホテルのロビーにいたかわいい牛

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週刊新潮にも書いたけれど、爆発したドライヤー、行きの飛行機で『マッドマックス』観たとこだったから、むしろ気持ちは高まったけど……

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***

 

『高校生ビブリオバトル三重決戦2015』 にお邪魔します。

1 日時 平成27年12月13日(日)

 13時00分〜16時45分まで(受付12時15分から)

2 場所 皇學館大学 4号館3階431教室ほか
 (伊勢市神田久志本町1704番地/電話 0596-22-0201)

わたしの講演は15時30分からの1時間を予定しています。

申し込み方法などの詳細はこちらから!

高校生のみなさんに本を読む楽しさエトセトラについてお話できればと思っていまーす!

みなさんぜひいらしてね。楽しみにしてます!

 

 

2015.10.07

『MONKEY』にて、村上春樹さんにインタビューしましたよ

 

すっかり秋の涼しさで、厚めの靴下をはいたときのこの安堵!手首足首、いわゆる首のつくところ、冷やさないように秋の深さを迎えたい、今日このごろなのだった。

 

そして、もうすぐ発売になります柴田元幸責任編集『MONKEY』で、村上春樹さんにインタビューいたしました。わーい!

村上春樹さんの『職業としての小説家』刊行を記念したロングインタビュー。題して『優れたパーカッショニストは、一番大事な音を叩かない』です。新作にまつわる話はもちろん、村上読者にはおなじみの「壁抜け」についてや、比喩とイマジネーションはどこからやってくるのか、はたまた創作とジェンダーについて、小説家と政治の関係はどうあるべきか、そして、個人的にぜひとも強調しておきたい村上さんの美質について……などなどあれやこれや色んなお話を伺いました。

 

 いやー、仕事上取材されたりインタビューされる機会はあってもインタビューするのって初めてで(そしておそらく今回が最後)、これまた独特の面白さがありますね! 長時間にわたるインタビューだったけれど、でもあっというまでとても楽しいひとときでした。ぜひお手にとってご覧くださいませな。そんな『MONKEY』の特集は『古典復活』。こちらも村上さんが登場されて、柴田先生とともにめくるめく英米文学の素敵&現状&来し方行く末についてたっぷりお話されています。おふたりの復活してほしい本のリスト&なによりおふたりの新訳もすこぶる贅沢、さらにはなんといっても表紙も素敵で、ああもう読みどころしかない『MONKEY』、『古典復活』号でございます。ぜひみなさま、お読みくださいませな。どうぞよろしくお願いします。

 

『みみずくは黄昏に飛びたつ──川上未映子 訊く、村上春樹 語る──』につきましては、こちらの記事をご覧ください。

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そして、「新潮」11月号には新潮新人賞作品が発表&掲載されておりまして、長い議論&選考を経て、受賞作が決定いたしました。『恐竜たちは夏に祈る』高橋有機子さん、おめでとうございます! そして選評を寄せています。こちらもどうぞよろしくお願いします。

 

いまは今月中頃に刊行される小説『あこがれ』の準備やそのほかの仕事でなにがなんだかという毎日ですが、日々は毎日あたりまえの顔をしてつづいているのでいつになってもやることばかり、でも誰だってきっとそうだよね。今月はサイン会も予定しておりまして、名久井直子さんによる装丁も素敵で、『あこがれ』にまつわるお知らせは追って。スペインの写真&記録も追って。山梨文学館での楽しかったあれこれも追って。けれども追って追ってとしているうちに月末のシンガポール出張に気がつけば行って帰っておなじようにパソコンに向かっているような気がしていて、こうなるとあいかわらず人間っていつを生きてることになるのかしらんまったくもって不思議ですわね、あらあらかしこ!

 

2015.07.07

『GRANTA』webに『彼女と彼女の記憶について』

 

短編小説『彼女と彼女の記憶について』が、英国文芸誌『GRANTA』webに掲載されておりまーす。『GRANTA』の今号のテーマは「所有」。翻訳は、由尾瞳さんです。

オリジナルは柴田元幸さん責任編集『MONKEY』vol 2 に掲載されていますので、ぜひお読みくださいませ。

 

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そして、少しまえにアメリカで刊行された『MONKEY BUSINESS』に、短編『十三月怪談』が掲載されています。こちらは短編集『愛の夢とか』に収録されたものです。こちらも翻訳は由尾瞳さん。うれしいな。書評もこちらでお読みいただけます。ぜひ。

 

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梅雨ですねえ。蒸しますねえ。もう七月なんだねえ。こぼれているもの、やってくるもの含めてまたまたお知らせしたいと思います。追って追って。そして『きみは赤ちゃん』が、11刷に……。発売からまる1年、版を重ねております。読んでほしいなあと思っている方々に届いている実感がとてもあって、しみじみと嬉しいです。読んでくださって、本当にありがとう。

 

2014.12.11

春の、さまざまなお知らせ

 ご無沙汰しております、すっかりめきめき寒くなって、やっぱ冬将軍って感じですね。今年もあっという間に終わってしまうわけですけれど、いま現在は怒濤の年末進行で、毎日毎日気がつけば、パソコンやゲラと一体化しているんじゃないかという親密さでもって原稿をただひたすらに書いています。みなさんは、いかがお過ごしですか……。

 

 ○今日も今日とてお知らせですが、筑摩書房から刊行される、ちくま評伝シリーズ『ココ・シャネル』の一冊に、巻末エッセイを寄稿しました。

 

9784480766229

 

 怒れる孤高のココシャネル……タイトルはこんなんじゃないけれど、内容はこんな感じです。若い読者が様々な人々を知るきっかけになってくれればよいなと思う、素敵なシリーズであります。どうぞよろしくお願いします。

 

 ○『文學界』1月号ラブレター特集に寄稿しております。作家がラブレターを書く、というシンプルながらも恐ろしい企画で、しかし楽しんで書きました。そしてお知らせがずいぶん遅くなりましたが、来年からの文學界新人賞の選考委員に就任いたしました。小説を応募くださるみなさまへのメッセージはここから読めます!そう、人生はなんかの玉。

 

 ○そして、今週発売の『週刊新潮』では、作家の北原みのりさんと、アーティストのろくでなし子さんの逮捕、再逮捕について書いています。タイトルは『女性器は女性のものに決まってるだろ!!』です。こちらのブログ記事「まんまんちゃん、あん!」と併せてお読みいただければ幸いです。

 

 

 

 そして……来年から、またいくつか新連載が始まります。

 子どもが生まれて時間があまりにもどこにもなくて、もう連載は増やさないで生きていこう、そうしないと小説も詩も書く時間がほんとうにないないと震えている矢先になぜ! なぜなぜなぜこんな展開になっているのかというと、これらの連載のご依頼をいただいた当時、「……ふうむ……でもま、そうね、2014年には、いくらなんでも例の長編、書き終わってるやろ」と、ふつうにそんなことを馬鹿なわたしはなんとなく信じていたわけであって、なので「いま書いてる長編終わってるので2年後だったらいけますよー」なんて編集者の方々にけっこう楽観的に答えてしまったわたしなのだけれど、じっさいに2014年が終わろうとしているいま、じゃあ現実がいったいどうなっているかというと長編なんてまったくぜんぜん書きあがってないのはもちろん、何もかもがきつきつになってゆくいっぽう、それどころか一年以上も待ってもらってる短編だって複数ある始末で、すべてがごてごての、もう見渡す限りがわやくちゃなんである。

 「でも、ちょ、長編でてないのみんな何となくわかってくれてるやろうし、約束したのって2年前やし、それからみんなの気持ちも変わるやろうし、あのときの連載の話、なんとなくない感じの方向に流れていってるかもしれへんな……」と息を潜めて静かにしていたら、もちろんそんなことはなく、みなさまとびっきりの笑顔で締め切りをがんがんに決めてくださいまして、迅速に、円滑に、ごくごく自然にすべてが(わたしの小説以外)予定通り始まって、そして、動きだしたのでありました。

 

 2015年の1月22日号から新しく始まるのは、

 『婦人公論』の巻末エッセイ、タイトルは「一期一えっ!?」です。週刊新潮の『オモロマンティック・ボム!』もそうやし、「ミエコもそういうの、好きねえ……」を思われるかもしれませんが、この素晴らしくもおきゃんなタイトルをつけてくれたのは編集者の石川由美子さんで、いくつか並んだタイトル案のなかで最初にこれを見つけたとき、「石川さんも、明るい顔して、けっこう追い込まれてんねんな……」と思ったけれど、見ているうちにわたしが考えたのなんかよりも、だんだんこっちが好きになって、「これがええんとちやう」という感じで決定と相成った次第でございます。1年間、思わず、『えっ!?』と驚いたことについてのあれこれを書いてゆきたいと思います。イラストは、『岡崎に捧ぐ』で話題沸騰の新進気鋭、漫画家の山本さほ先生でーす! 山本先生による、「驚愕するミエコ」イラストも8割増しに素敵に描いてくだすって、こちらもぜひぜひ、お楽しみくださいませ。隔週で、どうぞよろしう。

 

  そして『美的』でのショートストーリー、『コスメの魔法』です。気になるわたしの好きなコスメをひとつあげて、それにまつわる小さなお話を毎号書いてゆきます。コスメ、好きなんですよね……(しみじみ)。『Frau』での連載「伝説のコスメ」はレジェンドである一品をめぐっての随筆で、おなじコスメを中心とする文章でも、まったく違うあんばいになっております。それぞれ誌面も素晴らしくうつくしいので、ぜひ、お読みくださいませ。

 

 そして『たまごクラブ』での『ママは荒野を目指さない!』です。荒野、目指せへんのかよ!と即座に突っ込まれそうですが、ママは色々しんどいんだよ……荒野なんか目指さなくても気の持ちようでリビングも台所も風呂場もどこでも荒野になるんだよ……っていうのがこのタイトルの所以ということではないけれど、でもできれば荒野は目指したくない、これ以上ささくれたくない、ごつごつした大地もいまは踏みしめたたくない、みたいな気持ちで、どうかひとつよろしくお願いします。毎号、ひとつひとつトピックをあげて、それについて書いてゆきます! 2015年1月号には、連載開始にあたってのロングインタビューが掲載されます!よろ!

 

 

 

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