川上未映子

2014.05.16

最後から何番目のP、そして日曜日の晩年

 今日は夏のような一日で気分がすっかり明るくなる。や、いつもが暗いというわけではないけれど、外側から明るさがやってくるというかなんというか。土曜も日曜もとくに休みというわけではないのだから、せめてこんな日は何もしないでぼうっとして昔みたいに布団をかぶって「安静」にしてみたいものだけれどそうもゆかず、ところで窓っていいものだな、おなじ四角でもパソコンとは何もかもかもがこうも違って何が違うって光りかた。

 しかし明日はでかける日で、どこに行くってポール・マッカートニーを聴きにいくのだけれども、きっとみんな思ってるだろうけれどポール来日早いよね。10年前に行ったときも「もうこれで最後だろうかな」的ムードがあって胸に押し寄せるものがあったけれど去年無事にやってきて、しかし「さすがにこれで本当に最後、だろうなあ」とドームにいたたぶん2万人くらいがしみじみ思っていよいよ極まり、奇跡的な「サムシング」のアレンジを思いだせるだけでなんかもう、こう、自分がどこにいる誰なのかわからなくなる思いだったけれど、半年もたたずにまたもやポールの演奏が聴けるなんてまったくもって思ってなかった。そしてチケットを手配したあとに武道館の追加公演アリーナチケット10万円の発表があったりして、なんかもう流れ的に行くしかないような気持ちにもなるけれど仕事の都合でそちらは無理で、とにかく明日はどんな曲、どんな演奏なんだろう。何が聴きたいとかもうないけれど、そう、何が聴きたいとかって、もうないんだけれども。

 明日のつぎは明後日で、チケットは完売してしまったみたいだけれど、神奈川近代文学館で太宰治について話をしにでかける日。「待つ」「古典風」「女の決闘」、ああ翻案の手つき懺悔の目つき。面白い話になるといいな。