川上未映子

2014.05.02

いつか能動的に旅する日

時差ぼけの予感におびえつつ、しかし思いのほかぐっすり眠れてジュネーブ時間で目覚めることができてほっとした。夜になるのは遅くても朝はふつうにやってくるので7時半ごろレストランに行って朝食。さすが、といっていいのかどうかわからないけれど、チーズとヨーグルトがおいしかった。

ジュネーブはしとしと雨。だんだん明るくなってきて霧めいた雰囲気。山が低く、湖を縁取るように建っている家もかわいらしく、左手には森が広がる。そんな風景を眺めながら、わたしはいま仕事だからジュネーブにきたわけなんだけれど、ここにいる人たちがみな仕事できているということはないはずで、とすれば純粋に、ああジュネーブに行こう、という自発的な気持ちによってここへきているはずであって、わたしはいつかそういう人になれるのであろうか、という疑問がふとよぎった。どういう気持ちが芽生えれば、ジュネーブへ旅しようと思いつく人になるのであろう。これまでヨーロッパにきたすべての動機は仕事であった。

ところで寒い。思っていたよりずっと寒い。なんかまたいろいろ間違えた気がするけれど、なぜか旅行にでると白いブラウスばかり持ってきてしまったことにあとで気づく。こんなには着ないよ。

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そして町歩きように持ってきたシャーロットオリンピアのぺたんこ靴。レオパード(もうヒョウ柄とは言わないんですってね)柄が気に入ってるけれど、くちびるの形になったまえのところが甲にあたってそれが痛い。もう何回か履いてるのに、あんがい慣れなくて困ったものだ。

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