川上未映子

2014.04.30

四月の底、あらためましてのご挨拶

 いつか自分が小説を書いたりするようになるなんて思ってもみなかった二十代のなかば、ブログで日々のことを書くようになって、あっというまに時間が経って、これまで書いてきた日記は拙著「そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります」にまるっと残すこともできたし(こちらにはみっつだけ残しました。今後も増えるかもしれません)、そろそろサイトを新しくしてみようかなあ、以前のようにできるだけ日々の記録をつけるようにしてみようかなあと何となく思って、こんな具合になりました。
 とはいえ今はあんまり時間がなくていっせいに充実したさまをお見せしたかったのだけれども今の時点ではそれも叶わず、少しずつ、ちょっとずつ、進めてゆけたらと思っています。まずは日記から始めたいと思います。あらためまして、どうぞよろしくお願いします!

 四月は、マームとジプシーのリーディングという名の、女優、青柳いづみさんの一人芝居の舞台のアフタートークに出るために大阪へゆき(わたしの詩が使われているのです)、とても幸せな時間を過ごすことができました。
 ユニバースという元はキャバレーだった場所での公演だったのだけれど、「先端で、さすわ さされるわ そらええわ」「冬の扉」、「少女はおしっこの不安を爆破、心はあせるわ」、そしてマームのために書き下ろした「まえのひ」という演目と奇妙にきらきらと響き合い、とくに二日目、最後の一回は、音楽、光、見え隠れする言葉の発光、過ぎてゆく一秒一秒、観客の眼差し、そして何よりも青柳いづみさんの身体が、どこを見てもどうじにすべてを見ているとしかいいようのないあらわれかたをして、何もかもが現にそこにあるのに、現実には起きようのないものを目撃しているような圧倒的な体験でした。マームとジプシーについては、こちらで主宰の藤田くんと対談をお読みいただけます。
 マームとジプシーのツアーは5月4日までつづきます。くわしくはこちら

 四月も終わり。このあと連休は仕事でジュネーブと新刊のプロモーション(「すべて真夜中の恋人たち」がフランスで刊行されました)のためにパリに出かけます。あちらからも日記書けるだろうか。そうだこのあいだ、インフルエンザかと思いきや扁桃腺炎で人生初めて40°の熱を出しました。どんなにがんばっても減らなかった体重が3キロ減って、治って三日後には4キロ太ってた。ひっさしぶりのいかれこれ。