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2010.07.16

「わたくし率 イン歯ー、または世界」の文庫化とサイン会のお礼です

お昼間に雨が降って、夕方やんで、そんなだった昨日は六本木の青山ブックセンターで『夏の入り口、模様の出口』のサイン会を開催していただきました。たくさんの方々に来ていただいてうれしかったです。本当にいつもありがとう。これを書いている今はサイン会が終わって開けて真夜中の3時なのだけど、いただいた花は花瓶に入れて冷たい水のなかでひっそりと膨らむよう、楽器、チョコレートやお菓子もありがとう。CDも、手作りの小物も、ありがとう。帰りぎわにもどってきてくれて、まるいスイカをプレゼントしてくれた女の子(スイカ持たせてやろうと思ってくれたのだろうなあ)、色んな質問、思ってることなどを直接うかがえて、わたしはサイン会がとてもすきです。それから、手紙。なんといっても。わたしはうれしくて、大切に読みました。住所を書いてくれてる人、白紙の人、混ざっているけど、おひとりおひとりになかなか返事が書けないけれど、本当にうれしく思っています。みんなが色々なことを感じていて考えていて、それを思っているだけでなく伝えようとしてくれて、これはきっとわたしに伝わっているとわたしは思い、わたしのこの感謝の気持ちも手紙をくれたあなたや来てくださったあなたや、どこかで本を読んでくれたり歌をきいてくれている人に伝わってると思いたい、そんな真夜中の3時なのだった。本当にありがとうございました。また、小説やそのほか色々な作品などでお目にかかれるときまでどうかみなさまお元気でいてください。ありがとう。


「わたくし率 イン歯ー、または世界」そしてわたしにとってはじめての小説「わたくし率 イン歯ー、または世界」が早いもので文庫化されました。ありがとうございます。

この小説は2007年の4月に早稲田文学0号に掲載されました。もう3年、まだ3年かあというなんだか感慨深い気持ち、このあいだゲラチェックでひさしぶりにじっくりと読んだとき、色々とセンチメンタルな気持ちになりました(きっとみんなそうだよね)。処女作は全部がありったけでつまってるとはよく言われるものですがこの本も例によってきっとそうであって、わたしの作品のなかでもイン歯ーがいちばん好きといってくれる読者も(イン歯ーだけが好きって言ってくれる読者も!)いて、「またイン歯ーみたいなの書いてよ!」とか言われると、ありがとう、ってほんとに思います。ありがとう。

はじめての随筆集を出すとき、詩集を出すとき、それはまったく簡単なことではなくて、わたしは「ただ一冊の詩集を出せたら!」と念願していました。表現物や作品はなんでもそうかもしれないけれど、一冊の本やひとつの音楽を世に出すということがどんなに大変なことなのか、心底から痛感したながい時期がありました。そしてそもそもこんな作品を作っています、こんな作品をつくりたいと思っているんです、ということをまず他人に知ってもらうこと、それからそれを手にとってもらうことがどんなに大変なことなのかも。それが、いま、おなじ作品が二度べつのかたちになって読者に届けられようとしているなんて、夢みたいで、なんだかうまく信じられないな。これはいつも眠る前に思うことのひとつです。
これからは出したいときに自分が出したいものを人に読んでもらえるように、出せるように状況はどんどん変わってゆくのだろうけれど、そしてそれはある部分で本当に素晴らしいことだと思うけれど、今回の文庫化にあたっては、なんだか当時の気持ちを鮮明に思いだしたりして、何に向かってなのか誰に向かってなのかわからないけれど、ありがとうという気持ちでいます。ありがとう。そして何より、大切に読んでくれる人がいてくれるからこそ、また書いて見ようと、えいえい、そんなふうにがんばれます。これからも楽しんでもらえるといいな。がんばります。

ありがとう。

投稿:by 未映子 09:44 PM [未映子情報, ] | 固定リンク

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» 川上未映子の現実を超えた世界…『わたくし率イン歯一、または世界』 [新・はんきちのつぶやき から]
「なんちゅうか、お勧めはせんけど、おもろい事はおもろい、しかし、変な小説だったよ」、という友人の言葉に、怖いものみたさで、やはり読んでしまった。題名からして奇妙な、川上さんのこの小説を。講談社文庫。 現実を超えた世界。論理をもたない世界。理性を批判する世界。それがここにある。 文体も奇妙だ。しかしそれは、感情の流れというものを、再現しているように思う。人は実はこのように感じたり考えているのだろうな、ということを知る。詩に近いかな。 だから、この小説を、論理的に理解しようとしてはなら... 続きを読む

受信 Jul 26, 2010 10:02:17 PM

 


純粋悲性批判