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2009.03.29

尾崎翠シンポジウム、閉幕!

27日、28日と近代文学館で開催された尾崎翠シンポジウム、無事終了とのことで、ご来場くださったみなさま、本当にありがとうございました。
なんというか愛あふれる、というとなんだかあれですけれども、本当に有意義なひとときでした。ありがとうございました。そしてたくさんご質問くださり、時間オーバーでうかがえなかったみなさんすみません。メールもたくさんいただいていて、みなさんの反応から改めて尾崎翠の作品のちからというものを感じることができました。本当にありがとうございました。


我らが主人公、小野町子さんの「ふたつ以上の感覚が重なったときの哀感」というつかみを手がかりに、「言葉」とそれが指し示す「存在」、このふたつに注目して、第七官界というものがなんでありえるか、について迫りたいと思い臨みましたが、いかがだったでしょうか。
そしてその次に、そんな「言葉」を使用して制作される「小説」と「詩」というさらにふたつのものの対比で、第七官にさらに近づきたかったのですが、結局いっこだけになってしまいました。でも、時間的にはあれぐらいがよかったのかも知れませんね。

講演が終わったあと、聴きに来てくれてた編集者が「結局、第六感までは(聴覚、味覚、とおなじ意味で)パーソナルなものなんだよねー。七感になって、はじめて外部に出るというか、それ以外ものになるわけねー」
とぽろっと感想をこぼしてくれたのですが、その文脈でいくと、七官というのはやはりそのまま他者を存在させるのに必要不可欠な「言葉の機能の世界」そのものであり、町子さんが家から出て、別の場所へ行きはじめて他者と触れ(その意味での言葉を手に入れ)、そしてひとつの恋をする……、というのがこれまた美しい祝着をえたようで、うれしかった。


国会図書館にて初出雑誌である「文学党員」を調べてくれた友人の話によると、第一回だけ「第七 官界彷徨」という誤植か意図なのかわからないけれど、そういう表記だったそうです。
当日も友人と「官界」の官、について色々話し合いながら帰ったのですが、この官は「官界」という以上、「感覚」よりもシステムな雰囲気を醸すわけで、さっきの話とつなげて考えてみれば、「第七官」というのがやはりパーソナルな感覚のことではなく、そういったシステム(他者=言葉)に関わることを前提した世界であることが間違いないような、そんな気がしてきます。七つ目の、官界ですね。だからどうだって話なんですが、講演の話のオチとおり、今、われわれが生きているこれが、そのまま第七官なのだ、ということなのですね。おまけにやっぱりこれは彷徨しているとしかいいようのないわけで。


今回のシンポジウム、半年以上も(もっと前だったかも)前にご依頼いただいたとき、まだまだ先だと思ってみれば本当にあっというまで、びっくりです。個人的なことをいえば、去年にご依頼いただいてる分の仕事を今年終えてしまえば、きっともう今後、特定の作家や作品についてあんな感じでみなさんにお話したりすることもないと思いますので、そういう意味でも本当に記念になりました。みなさんと最後に交歓できた作家が尾崎翠でうれしいかったです。

実行委員のみなさま、本当にありがとうございましたそしてお疲れさまでした。素晴らしい会でした。ちらしに印刷された大島弓子さんのメッセージも、本当にぐっときましたね。素敵な機会をありがとうございました。

投稿:by 未映子 02:52 AM [] | 固定リンク | トラックバック

2009.03.27

ユリイカで中也賞の諸々が読めます

Eureka0904ユリイカ今月号はRPGゲームの特集ですが、中原中也賞の発表号でもあります。各選考委員の選評と、凱旋!掲載になる「先端で、さすわさされるわそらええわ」と、受賞のことばもお読みいただけますので、ぜひお手にとってくださいませ。よろしくお願いいたします。

「先端で~」は2007年の暮れに刊行したのですが、そのすぐ後の芥川賞でなんやもうもうと忙しくなり、そうこうして一年を経過した今、この受賞を機にまた色々なところで取り上げていただいているみたいで、ありがとうございます。詩集がひとまわり太って帰ってきたような感もあります。ふだん詩集や現代詩に先入観や、いや、先入観などもつまでもなくお手にとらないみなさんにも、知ってもらえるということは、まずはきっとうれしいことだと思いますので、これはたぶんにうれしいことだと思います。
そして「先端で~、」はどうやらまだまだ伸びる余地をもち、とてもおもしろがってくれる方々からのジャンルを問わないお誘いなんかも色々あって、夏ぐらいからまた新しい展開を見せるようでもあります……。写真、服飾、はたまた映像……、まだまったくわからないのですけれど駆ける駆けるを愉しみにしていてください。

取材も色々。掲載日を見逃すこと多々あって告知できないことばっかりだけれど、朝日新聞さんのはネットで読めます。ココ

ああ春だ、やれ春だっていうんだけれど体がこれには馴染まないし慣れるどころか年を重ねるごとにひどくなってゆくので困る困る、陰鬱これは春の陰鬱で、憂鬱じゃ、もはやないところがあれなのか、みなさん春はどんな具合? しかし今日は寒かったね、家から一歩も出ないでもわかるのな。建物が冷え、窓が冷え、本が冷え、それから耳のいちばんはしっこが冷えるのな。

ヨリモもしんしんと月曜日に更新されていますので、どうぞお読みいただければうれしいです。発光地帯。なんというか発光とはいえ編まれたときに、明るい明るさのない随筆にしたいなあ、とぼんやりと思っているのです。

投稿:by 未映子 11:54 PM [書籍・雑誌, 未映子情報] | 固定リンク | トラックバック

2009.03.22

四月だいすきな四月だった四月

春は身体が浮かされてああこれよく知ってるなあ、という具合ですけどみなさまお元気でらっしゃいますか



4月18日に新宿バー「風花」で、恒例の朗読会が行なわれます。
こちらは古井由吉さんが主催の朗読会で、もうずいぶん長いあいだ開催されていて、
これまでたくさんの作家が参加し、わたしはほぼ1年ぶり、2回目の参加になります。

今回は批評家の東浩紀さんともご一緒します。
「つぎ風花で朗読会するときは、ちゃんと告知してほしいわ、あとで知ってしまったので無念だった、機会はなるべく、平等にな」という読者の方からご意見あったのをさっきハッと思いだして、告知です。

場所がバーなので、数十名しか入れません。しかもぎゅうぎゅうで身を寄せ合うといった感じになります。まじでそうです。きっとすぐにいっぱいになるかも知れないけれどだめだったらごめんなさい。どうぞよろしくお願いします。

何を読もうか考え中ですが、中也賞をいただいた記念に(授賞式はまだ先だけども)、まだちゃんと朗読をしたことない「先端で~」から選ぼうかなとか思ったりしていますが、新しいのもいいなあ、なはんて考えています。でもこれってどれも長いから疲れるし・しかし・抜粋もあんまりなあという感じです。古井さんは何を読まれるのかしら。やはり新しいのを読みはるのかしら。東浩紀さんもどんな朗読をされるのか愉ししみです。素敵な春の会になりますようになあ。でも朗読って、なんというか根本的に、なぞなのだよな。やるほうもきくほうも、むずかしいよね。

朗読会  「風花」 
4月18日(土)午後七時より

古井由吉 東浩紀 川上未映子

3000円 ワンドリンクつき
新宿区新宿5-11-23 
03-3354-7972
ご予約はお電話でお願いします。受付は8時以降です。(日・祝をのぞく)


yorimoの連載はじまりましたけれども、
閲覧のしかたとか、それにまつわるリクエスト多数寄せられたのですが、こちらはぜひともヨリモさんのほうへご連絡いただけたらと思います!


ということでみなさまつかのまごきげんよう。
それぞれの持ち場で、また会う日までさらばさらば。

満員になりました。ありがとうございます。
では来月!それまでさらばー

投稿:by 未映子 02:48 PM [未映子情報] | 固定リンク | トラックバック

2009.03.03

春の前身

というかやっぱりこのブログに告知の欄がないのがあかんことで、なので日記が自動的に告知になってしまう、というか告知がなければ締め切りもないのでもはやここに書く日常もないようなていたらくではあるのですが、このたび締め切りつきで日記を書きはらんか、というご要望があったので、そんなこんなで日記の連載を始めることになりました。なんと毎週月曜日の更新です。お読みになるかたは「発光地帯」でどうぞお読みになってくださいましな。

「先端で~」中原中也賞を受賞しました。ありがとうございました。これについても書きたいことがあるのだけれど、確か今月末に出るユリイカに中也賞の発表があるので、そこに寄稿できると思いますのでどうぞよろしくお願いします。

この日記もいつアップされるのかわかりませんが、今は寒い夜中ですがもうすぐ目に見えて春がやって来るのでそこかしこ、なんだかおそろしい気持ちでいます。

投稿:by 未映子 11:43 PM [未映子情報] | 固定リンク | トラックバック

 


純粋悲性批判