2004.08.30
お誕生日、再考。
机が非常事態なんである。頭も臨界なんである。鼻も詰まっているんである。ド・エマージェンシー、合ってる?とにかくなんかがいつもすごいことになっているのである。平穏がレス。でも負けずに、感情に負けじ、わたしは書くのである。筆も折れよとばかりに、指先で打つのである、キーを。たったと。でもなんだかなあ。ああ、それにしてもわたし誕生日を迎え、前日はNACK5の方々に、その前日は隣人に、お祝いをして頂き、また酔ってしまってすみません。でめでたくブラックアウト。もう記憶がないのよ。他人事なのよ。あ、今思った。人の事と書いて人事。人事ってひとごとなのね。でお花、ぬいぐるみ、バスローブにワイングラス?、??ひのきお風呂セット、そしてなんと望遠鏡を戴いた。ほんでこれでわたしに何をしろというのか。この、ストーカーという言葉がこの世にお披露目される前からの会得者であるわたしに望遠鏡でこの期に及んで何を見ろというのか。ははん。マンションか。ははん。水平にしていいのね。星じゃなくて、全然いいのね。冗談。最近日記にも好き勝手な表現はあんまりできんよってに、検閲があるんよ。なあ。ほんでバースデー当日は部屋で黙々色々仕事をしていました。わたしは、あの、誕生日に思い入れなどはないと、ずっとこう自分でも思っていたのでしたが、なんかこの頃になって、あの、まるいケーキに、歳の数だけ蝋燭を立てて、部屋を暗くしふうっと吹いたり、ぱちぱち、りぼん、ありがとう、おめでとう、みたいな、みえちゃんすごいなあとか、なんか密接な、部屋でね、なんかそういうの、すごくして欲しい。欲しかった。誰かに。なんて昨日色々しながら思ったりしたり、でもまあどうでもよかったり。でもなんかして欲しいとかお祝い、そういうの、こんなに感じたの初めてであった。平和だね。
姉からは弟とその彼女、そして旦那と息子、わたしの甥ですね、なんか大阪で未映子の誕生日会をやってるという写真つきメールが送られてきて、写真にはまるいケーキに未映子、とか板が載ってて蝋燭も揺れ、嬉しいけど、なんかわたしこれ、死んでもうおらん子みたいやんと思った。この子が生きてたら28歳、みたいな。忘れられずに仮にみんなでお祝いしてます、みたいな。それにしても当事者のいないところでのケーキを買ってまでするお祝いの動機とはなんだろう。
わたしは最近よく考える。
<人は、少年少女時代を生きるために生まれてきた>
これは水木しげるさんの言葉らしくて、友人のコピーライターから聞いた言葉。ほんまやで、と深い納得を共にするのだが、もう一度、ほんまやで。そして大人として生きるようになるというのは、つまるところ、
その少年少女時代に足りなかったものを、補い続けることなんではないだろうか。
失いつつあるあの印象を、あのおおきさを、手に取り戻そうとする行為なんではないだろうか。少なくとも、わたしにおいてはそうなんではないかと思うのである。
少年少女時代に作られた不完全な世界観、不完全な世界に対する態度、それらは不完全であるがゆえに絶対なものであり、それをどのように補完してゆくのかが、
好むと好まざるとにかかわらず、人生の一面なのではないか。
トラウマしかり、嗜好しかり。そして老いて少年少女に戻ってゆくのではないだろうか。人生とは大きな意味で、「育てなおし」なんではないだろうか。
少年少女時代の、あの匂いの新鮮さ、恐怖の絶対さ、あの世界のおおきさよ。
時間は果てしなく流れ、時々神様、などと口にしていた。
世界は鮮やかな色で溢れ返り、
感情にはまだ名もなく、
水溜りはあくまで水溜りであり、太陽はどこまでも太陽であった。
手に触れるものはすべてみずからきらきらと光を放った。
もちろん真逆もある。世界を、環境を呪っていた少年少女もいることだろう。
しかし失われ続けた愛を取り戻そうとする人生も、
呪いを完成させようとする力も、補完するという意味においては同じである。
あれら世界の手垢のつく前の輝かしい手ごたえを、あるいは悲しみを、
我々は残りの人生を賭して取り戻そうとしているのではないだろうか。
お誕生日しかり。かつて子供であった自分の目に飛び込んだ大きく幻想的な蝋燭の火を、ここに来てもう一度、いや、何度でも、この同じであるはずの目に、
灯していたいのではないだろうか。
ああ、平和ですね。でも笑えませんね。
余談、
水木しげるさんのあの名言をある編集者が非常に気に入って涙、
先生、あ素晴らしい一文を是非使用させてもらってもいいでしょうかとお伺いをたてたところ水木氏、
「俺、そんなんゆったけ?」ですって。最高。
あ、このあいだ熱烈なメールくれたる君!
未来の華麗なるヴァイオリニストの君!勢い余って途中からすべて文字化けしていましたぞ。や、あれはわざと?しかしてこちらに伝わった熱はやや半分。途中の突如飛び出す命令口調がなんとも面白いので、吉。再読希望。
宜しかったら是非。
投稿:by 未映子 01:00 AM [心と体] | 固定リンク
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/50003/1342901
この記事へのトラックバック一覧です: お誕生日、再考。:



















「そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります」
「本棚」
「薔薇は生きてる」山川弥千枝
「道徳は復讐である~ニーチェのルサンチマンの哲学~」永井均
「FRaU (フラウ) 」2012年4月号
「群像」2012年4月号
「早稲田文学」記録増刊 震災とフィクションの“距離”
「FIGARO japon (フィガロ ジャポン)」2012年2月号
「with (ウィズ) 」2012年1月号
「FRaU(フラウ) 」2012年1月号
「PHP」2012年1月号
「現代詩手帖」2011年12月号
「PHPスペシャル」2011年10月号
VOGUE JAPAN (ヴォーグ ジャパン) 2011年11月号
「群像」2011年11月号
「新潮」2011年11月号
「早稲田文学」4号
「司修のえものがたり」
「Imago緊急復刊号」
「婦人公論」2011年9/7号
「群像」2011年9月号
「モンキービジネス~いま必要なもの号」
「真夜中」No.14
「Ginza」2011年8月号
「モダンリビング」2011年7月号
「VOGUE JAPAN (ヴォーグ ジャパン) 」2011年6月号
「真夜中」12
「yom yom (ヨムヨム)」2011年3月号
「婦人公論」2011年2月7日号
「すばる」2011年3月号
「文學界」2011年2月号
『早稲田文学増刊π(パイ) 』
『GINGER L。』 2010 WINTER 01
「ユリイカ」 2010年9月号
「文藝」 2010年5月号
『永遠の詩4 中原中也』
『新潮』3月号
Hanako (ハナコ) 2010年1/28号
「群像」 2010年2月号
「ドラえもん 5 (藤子・F・不二雄大全集) 」 藤子・F・不二雄
papyrus (パピルス) 2010年2月号
「クロワッサン」2010年1/10号
ミセス 2009年11月号
BRUTUS (ブルータス) 2009年11/1号
劇的クリエイティブ講座
SWITCH 2009 SPECIAL ISSUE「NEW FRONTIER 開拓者たち」
KISHIN:BIJIN BIJIN of THE YEAR 2009
marie claire (マリ・クレール) 9月号
装苑 8月号
FRaU 8月号
群像8月号
新潮7月号
人間失格ではない太宰治 爆笑問題太田光の11オシ
文学2009
ユリイカ2009年4月号
現代詩手帖 2009年1月号
早稲田文学2号
VOGUE NIPPON(ヴォーグ ニッポン) 2009年01月号
ユリイカ 2008年12月号
モンキー ビジネスvol.3.5 ナイン・ストーリーズ号
潮 2008年12月号
VOGUE NIPPON (ヴォーグ ニッポン) 2008年10月号
ラブコト 2008年 9月号
文藝春秋 2008年 9月号
PLANTED(プランテッド)#8
「広告」9月号 特集 ことばエネルギー2
CREA 2008年 9月号
文学界 2008年8月号
新潮 2008年8月号
Rocks 創刊号
yom yom (ヨムヨム) 2008年7月号
「CREA (クレア)」2008年7月号
「papyrus (パピルス) 」2008年6月号
「日経ビジネス Associe (アソシエ)」5/20号
「BRUTUS (ブルータス)」5/15号
「モンキー ビジネス」2008 Spring vol.1
「早稲田文学」 1
「ダ・ヴィンチ」2008年5月号
「M girl」'08春夏版
「ユリイカ」4月号 特集・詩のことば
「CLASSY. (クラッシィ) 」5月号
「papyrus (パピルス) 」2008年4月号
「週刊文春BUSINESS」4/16号
「小説トリッパー」2008年春季号
5px 10px 0px界」4月号
「日経エンタテインメント」4月号
「ニッポンの笑い VOW!!」
「ダ・ヴィンチ」2008年2月号
「広告批評」2008年1月号
「早稲田文学WB」vol.011
「planted」#6
『ダカーポ』最終号
『文學界』12月号
『セオリー』vol.12
『Hanako West』12月号
『Real Design』12月号
『すばる』11号
『WB』vol.10
『en-taxi』vol.19
『アスペクト』
『CREA』10月号
『音楽の詩2』創英社
新潮 9月号
群像 9月号
S-Fマガジン 2007年9月号
アスペクト
<超短編6>
「ユリイカ」特集・石井桃子一〇〇年のおはなし
アスペクト
<早稲田文学>復刊0号
「早稲田文学」vol.7
「VOW POP Vintage!?街のヘンなもの大カタログ」
<文学2007>
「ユリイカ」特集・理想の教科書
「ダ・ヴィンチ」
「ダ・ヴィンチ」
「ユリイカ」
「クイック・ジャパン」
「ダ・ヴィンチ」
「ユリイカ」

